あの西武新型特急は車内も「常識破り」だった インテリアの雰囲気も「これまでにない列車」
西武鉄道が「いままでに見たことのない新しい車両」とPRする新型特急「Laview(ラビュー)」001系。3月のデビューに向けて昨年末から試運転がスタートし、銀色に光る弾丸のようなボディが沿線利用者らの注目を浴びている。
昨年10月には「ラビュー」という愛称や概要の発表会が開かれたものの、これまで行われていなかったのが内装を含めた車両のお披露目だ。窓から見えるインテリアはどんな雰囲気なのか――。運行開始を約1カ月後に控えた2月14日、ついにその全貌が報道陣に公開された。
「これからの西武を象徴するフラッグシップとして、新たな感動を提供できる車両だと大いに期待している」。西武鉄道の後藤高志会長は、銀色に輝くボディの前で「これまでにない新車」に対する想いを語った。
25年ぶりの新型特急
ラビューは、1993年に登場した現行の「ニューレッドアロー」10000系以来、25年ぶりとなる新型特急車両だ。プロジェクトが始まったのは、西武ホールディングスが東証1部上場を果たした2014年。従来の鉄道車両のイメージを打ち破る斬新な車両を目指そうと、デザイン監修は建築家の妹島和世さんに依頼した。
冬空の下、周囲の風景を映して輝く車体はシルバーに塗装され、アルミの地色を生かした通勤電車の銀色とは一味違う雰囲気。国内の鉄道車両では初という、曲線半径1.5mの曲面ガラスを使った球面のような先頭デザインが特徴的なのはもちろんだが、間近で見ると圧倒されるのは側面の窓の大きさだ。
これまでの電車では見たことのないほど巨大な窓の寸法は縦1.35m、横1.58m。コンセプトの1つである「みんながくつろげるリビングのような特急」を具現化するために「家の窓に通じるようなイメージにした」(妹島さん)。窓ガラスは高機能の特殊強化ガラス3枚と特殊な膜を貼り合わせた特注品という。
今回初めて公開された室内は、全体をシルバー1色で統一した外観とは変わって、黄色いシートが並ぶ温かみのあるデザイン。黄色になったのは妹島さんのイメージする「西武線の色」だからだ。昨年10月の発表会の際、妹島さんは「今回は特急車両のデザインですが、私にとって西武といえば黄色なのです」と語った。斬新さの中に、かつての伝統も生きているわけだ。
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