西武「新特急」、不思議デザインが走り出した 丸い先頭形状から巨大窓まで「初めてづくし」
2019年3月のデビューを控えた西武鉄道の新型特急「ラビュー」が試運転を開始した。初日となる12月23日は飯能と所沢間だったが、24日は池袋ー飯能間を走った。
情報を聞きつけた多くの“撮りテツ”たちが、西武池袋線沿線の全駅と要所要所の踏切や橋の上など、撮影スポットに出没した。
西武鉄道が「今までに見たことがない新しい車両」と銘打つだけあって、その外観は鉄道車両の常識を打ち破る。
下辺がひざ下まである巨大窓
最も特徴的なのは窓の大きさだ。先頭車両と最後尾車両は1両に6枚、それ以外は8枚で、1枚当たりの大きさが横が1メートル58センチ、縦が1メートル35センチある。
大きな窓は、基本デザインの監修を手がけた建築家の妹島和世氏の強い希望で実現したもので、当初製造元の日立製作所からは、縦横ともに1メートル50センチとする提案が出されたが、強度解析を実施した結果、当該サイズに落ち着いた。
床面から窓の下辺までの高さは40センチしかない。窓の大きさをウリにしている近鉄特急「しまかぜ」のハイデッカー車両が床面から50センチなので、それよりもさらに10センチ低い。
通勤車両で用いられているベンチシート型の座席の背面窓や、レッドアロー号に使われている10000系は、窓の下辺が床から80センチだから、小柄な人なら座った状態で二の腕の真ん中より少し上のあたり、大柄な人ならひじの少し上あたりに窓の下辺が来る。座面は床から45センチの位置だ。
その座面よりも5センチほど下となるとひざよりも下に窓の下辺が来る計算になる。不安感を与えないよう、シートは体を包み込むようなデザインにし、窓全体にドットプリントも施しているが、車窓の風景が一変することは間違いない。
もっとも、車体側面の開口部割合(ドア部分+窓部分)は表面積の35%。通勤用車両の33%、レッドアローの34%と比べて極端に高いわけではないのは、ドアの枚数が通勤列車に比べて少ないからだ。
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