「子どもは褒めて育てる」を実践する人の誤解 極めて特殊な成功体験に魅了されるのはNGだ

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例えば、半年後の正月に祖父母から5000円のお年玉がもらえるとわかっている子がいるとしましょう。その子に「1週間もらうタイミングを遅らせればお年玉は5500円になるよ」と伝えると、その子は「だったら、1週間我慢して5500円をもらうよ」と答えるわけです。

「目先の利益や満足を優先する」理由

一方、明日の誕生日に祖父母から5000円のお小遣いがもらえるということになったとしましょう。その場合、「1週間延期する代わりにお小遣いは5500円になるよ」と言われても、すぐに得られる満足を優先し、明日の5000円を選んでしまう、というようなことが生じます。

このように、近い将来の満足を優先する状態は、子どもが勉強するときにも生じています。遠い将来のことを考えればちゃんと勉強したほうがよいことがわかっているのに、つい勉強せずに楽をするという近い将来の満足を大切にし、その結果「勉強するのは明日からでいいや」と先送りしてしまうのです。

「目先の利益や満足をつい優先してしまう」ということは、裏を返せば「目の前にご褒美をぶら下げられると、今、勉強することの利益や満足が高まり、それを優先する」ということでもあります。

実は、子どもにすぐに得られるご褒美を与える「目の前のにんじん」作戦は、この性質を逆に利用し、子どもを今勉強するように仕向け、勉強することを先送りさせないという戦略なのです。

ただし、「ご褒美」を与える際にはその設計が大切です。正しく行えば、「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせることなく、学力を向上させることができます。

次ページ「ご褒美」と出席率や学力との関係は?
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