同性婚容認で揺れる台湾 「多様性ある結婚」をめぐって、対立が先鋭化
世界に目を向けると、デンマークでは1989年から「登録パートナーシップ」(registreret partnerskab)が施行され、世界で初めて「異性愛非婚同居」と「同性愛者」たちが法的に承認と保障を得た国となり、同性パートナーに異性婚姻関係に近い権利を与えた。以来30年余りで、世界の約20%の国が法を改正し、パートナー関係を保障することが国際的趨勢となっている。
オランダでは2001年に世界に先駆けて同性愛者の婚姻を法的に認めた。それから10年間で、ベルギー、スペイン、カナダ、南アフリカ、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アルゼンチン、アイスランド、ブラジル、フランス、ウルグアイ、ニュージーランド、米国の一部の州もそれに続いている。
キリスト教国でも同性婚容認広がる
深く考えるべきことは、カトリックやプロテスタントの信仰が主流を占める欧米諸国が同性婚法案を可決していることだ。台湾の一部反対団体が「多様性ある結婚」に反対する理由として聖書を引用することには説得力がない。
法案提案者の1人の尤美女議員は、「反対の声は大きいが、『多様性ある結婚』の考え方が初めて公になり、一面で取り上げられた。説明していけばわかってもらえる」と楽観的だ。
政治大学法律学科の陳恵馨教授も、「同性愛者の婚姻同権は社会の主流意見に支持されている。反対派・賛成派ともに対話の余地はある。社会的関心も高い。共通認識に向けて、政府も対話の場を設けるべきだ」と話す。伴侶盟も、「今後は出版や公聴会などを通じて努力していく」としている。同性愛者の婚姻同権への道はこれからも続く。
(台湾『今周刊』2013年12月9日号、『今周刊』は、「週刊東洋経済」と提携関係にある、台湾を代表する経済誌です)
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