医師が警告!「見た目が老ける悪習慣」5大NG 飲酒、タバコ「以外」に気をつけるポイントは

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最後の悪習慣は、「寝る直前までスマホをいじっている」ことです。この悪習慣に陥っている人は、意外に多いのではないでしょうか。

【5】「寝る直前までスマホ」をいじっている

スマホやパソコンはいまや私たちの生活に欠かせないものですが、「スマホやパソコンが肌に悪影響を与える」と聞いたら驚きますか?

スマホやパソコンの画面からは「ブルーライト」が出ています。「ブルーライト」は人の目で見ることのできる可視光線の中では最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。そして、これが皮膚に負担をかけ、シミやくすみの原因をつくるといわれています。

さらに、この「ブルーライト」は、眠りを促す物質「メラトニン」の生成を抑制するため、睡眠に悪影響を及ぼすだけでなく、体内時計を狂わせるともいわれており、結果的に皮膚の新陳代謝を悪化させることも考えられます。

つまり、寝る前のスマホは、人を老けさせるのです。「見た目」を若返らせるいちばん簡単な方法は 「寝る前にスマホを見ない」 ことです。

ブルーライトカット機能のあるフィルムを画面に貼ったり、メガネをかけることも一案ですが、メガネの場合は目に対するライトだけをカットするものなので、皮膚への影響まではカバーできません。

スマホを24時間手放せないという人も多いようですが、寝るときにはスマホのスイッチを切るか、別の部屋に置くのが理想です。寝る前の読書習慣がある人には、電子書籍ではなく、紙の本の読書がおすすめです。

皮膚は目に見えている「臓器」である

「外見」に気を配るメリットは、「見た目」だけの問題ではありません。健康にも大いに関係しています。実は皮膚は「臓器」の1つです。つまりその意味では皮膚は心臓や肺、肝臓や腎臓などと同じなのです。いわば「皮膚」は、「目に見えている臓器」という大きな特徴があります。

肌荒れや色素の沈着など、一見、ただの皮膚の症状のように見えることが、実は内臓疾患の兆候が皮膚にサインとして現れていることもあります。

私たち皮膚科医は皮膚の病気の治療が主な仕事ですが、皮膚の疾患以外にも目を向けて、ほかの臓器の疾患を発見することも、1つの仕事なのです。

ここに挙げた「悪習慣」を少しずつでも改善し、健康な体を目指していけば、「見た目」が若くなる効果が少しずつでもあらわれる、私はそう確信しています。

小川 徹 皮膚科専門医、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院客員研究員

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おがわ とおる / Toru Ogawa

医学博士。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、ロンドン大学セントトーマス病院など、アメリカ東海岸、同西海岸、イギリスで、これまで豊富な国際経験をもつ。ハーバード大学マサチューセッツ総合病院では、アメリカ専門医学書の分担執筆をしながら、「皮膚とAI」に関するマサチューセッツ工科大学(MIT)との共同研究などに取り組んでいる。アメリカ皮膚科学会(AAD)など、多数の国際学会に所属。欧米をはじめ、アジア、南米、アフリカなどに、グローバルなネットワークをもち、全米最大の日系情報誌「U.S.FrontLine」をはじめとする国内外のメディアでも活躍中。東日本大震災を契機に、「ポジティブ皮膚科学」という概念を提唱している。「ポジティブ皮膚科学」とは人々の心を明るく、気持ちを前向きにできるように、皮膚科学を基軸に心理学や芸術など、ほかの学問領域との結びつきにより、皮膚科学を応用した学術的なコンセプトである。あこがれはマザー・テレサ。

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