米株反発、国債利回り上昇や米中協議楽観論で 10年債と3カ月物の利回り逆転は解消せず
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場は反発して取引を終えた。国債利回りの上昇や米中通商協議を巡る楽観的な見方が買い材料となった。
ただ商務省が朝方発表した2018年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)の確報値(季節調整済み)は年率換算で前期比2.2%増と、2月公表値の2.6%増から下方改定。株価の上昇は限定された。
米国では連邦準備理事会(FRB)が前週の連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げの想定回数はゼロとし、一段とハト派化。これを受け、市場では経済成長に対する懸念が高まっている。
ヒュー・ジョンソン・アドバイザーズ(ニューヨーク州)の最高投資責任者(CIO)、ヒュー・ジョンソン氏は、FRBの動きは市場で歓迎されたものの、現在は企業収益の減少や景気見通しに対する懸念が出ていると指摘。「利上げサイクルは終了したのかと誰もが疑問に思っているが、自分自身の考えでは利上げサイクルはまだ終了していない。ただそれほど多くは残っていない」と述べた。
この日の債券市場では米10年債<US10YT=RR>利回りは上向いたものの、10年債と3カ月物財務省短期証券(Tビル)の利回りは逆転はなお解消していない。長短金利の逆転が長期化すれば、米経済は向こう1─2年以内にリセッション(景景気後退)入りする可能性がある。
米中通商協議を巡っては、中国商務省が28日、劉鶴副首相が米国のムニューシン財務長官およびライトハイザー通商代表部(USTR)代表と協議を行うと発表。また米当局者は前日、議題となっている全ての分野で前進しており、強制的な技術移転に関する問題で中国側がこれまでにない提案を行ったと明らかにしていた。こうした中、通商情勢に影響を受けやすい銘柄が買われ、S&P産業株指数<.SPLRCI>は0.8%上昇した。
S&P一般消費財株指数<.SPLRCD>は0.6%上昇。「カルバン・クライン」などのブランドを展開するアパレルメーカーのPVHコープ<PVH.N>が示した通年の調整後の利益と売上高見通しが市場予想を上回り、買いが入った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.95対1の比率で上回った。ナスダックでも1.81対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は62億7000万株。直近20営業日の平均は75億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25717.46 +91.87 +0.36 25693.32 25743.41 25576.69 <.DJI>
前営業日終値 25625.59
ナスダック総合 7669.17 +25.79 +0.34 7660.07 7689.16 7619.82 <.IXIC>
前営業日終値 7643.38
S&P総合500種 2815.44 +10.07 +0.36 2809.40 2819.71 2798.77 <.SPX>
前営業日終値 2805.37
ダウ輸送株20種 10319.63 +121.99 +1.20 <.DJT>
ダウ公共株15種 774.06 -9.68 -1.24 <.DJU>
フィラデルフィア半導体 1373.80 -2.68 -0.19 <.SOX>
VIX指数 14.41 -0.74 -4.88 <.VIX>
S&P一般消費財 896.58 +5.16 +0.58 <.SPLRCD>
S&P素材 344.67 +3.25 +0.95 <.SPLRCM>
S&P工業 626.06 +4.76 +0.77 <.SPLRCI>
S&P主要消費財 576.14 +2.42 +0.42 <.SPLRCS>
S&P金融 425.83 +3.50 +0.83 <.SPSY>
S&P不動産 224.60 +1.60 +0.72 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 490.21 +1.82 +0.37 <.SPNY>
S&Pヘルスケア1050.07 +2.77 +0.26 <.SPXHC>
S&P通信サービス157.23 -0.79 -0.50 <.SPLRCL>
S&P情報技術 1286.59 +4.81 +0.38 <.SPLRCT>
S&P公益事業 293.38 -3.70 -1.25 <.SPLRCU>
NYSE出来高 8.05億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 21225 + 165 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物6月限 円建て 21205 + 145 大阪比 <0#NIY:>
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