アップルが「iPad Air」とminiを刷新の深いワケ iPad miniは3年半ぶりのモデルチェンジ

拡大
縮小

iPad mini 4は2015年9月に発表された製品なので、3年半ぶりのモデルチェンジということになる。しかも最大のニュースは、7.9インチモデルでApple Pencilをサポートしたことだろう。またステレオスピーカーにも対応した。

これまでApple Pencilは、iPad Proからサポートが始まり、2018年10月に発売された現行のiPad Proでは第2世代のApple Pencilがリリースされている。その一方で2018年3月に発売された廉価版iPad第6世代でも、初代Apple Pencilが利用できるようになり、iPad製品群の中でApple Pencilが利用できなかったのは2015年以来アップデートされていなかったiPad mini 4のみとなっていた。

今回のアップデートを整理すると、10.5インチのiPad ProをiPad Airとして改名したうえで最新のA12 Bionicチップを搭載。また7.9インチのiPad mini 4を、ディスプレーやプロセッサー、カメラを改良し、iPad Airと同等のスペックを用意した。これによって、iPadのラインナップすべてがApple Pencilに対応し、「ペンで操作できるタブレット体験」がiPadの標準となった。

文房具としてのiPadとApple Pencilの活用に期待

Apple Pencilは当初、グラフィックなどの繊細な作業にも対応できる精度と描き心地を売りにしたタブレットペンで、iPad Proではディスプレーの反応速度を向上させるなどして、魅力を高めてきた。一方でアップルはiOS標準の「メモ」やPDFへの書き込み機能を充実させ、Pages・Numbers・KeynoteアプリでもApple Pencilによる描画に対応させるなど、アートやデザイン以外のApple Pencilの用途を拡大させてきた。

今回、7.9インチサイズのiPad miniがApple Pencilに対応したことで、さらに文房具としてのiPadとApple Pencilの活用にも期待を寄せたいところだ。

例えば、Apple Pencilを画面でタッチすると、直前まで手書きしていた「メモ」アプリのページが瞬時に開いてメモが取れる状態になる。紙とペンに迫る直感的なスピードだ。書いたモノはデジタルで保存できるだけでなく、打ち合わせの相手やチームにすぐにメールで送れる。あるいは、届いた書類の赤入れをペーパーレスで行って、そのままメールですぐに返すこともできる。

企業の中でいちばんペーパーレス化してほしい人にiPad miniを持ってもらうことで、仕事のスピードが劇的に変わる可能性もあるかもしれない。

今回の刷新では、iPad第6世代は仕様も価格(3万7800円~)も据え置かれた。iPhone 7に搭載されたものと同じA10 Fusionチップを搭載する9.7インチタブレットで、教育市場や企業への大量導入で人気のあるモデルだ。アップルもウェブサイトで「最も人気が高いiPad」と紹介している。こちらもApple Pencilに対応する。

次ページ続いて価格が安いのが「iPad mini」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT