34歳「脱サラ」ラグビー登山家がW杯に賭す人生

日本大会開幕前に出場25カ国最高峰へトライ

ラグビー登山家としてラグビーワールドカップの歴代出場国の最高峰にトライし続ける長澤奏喜氏(撮影:今井康一)

世界各国の最高峰にトライし続けるラガーマンがいる。

“ラグビー登山家”の長澤奏喜(そうき)、34歳。

長澤が本格的に登山を始めたのは、2015年に開催されたラグビーワールドカップ(以下、ラグビーW杯)イングランド大会で、日本代表が強豪国の一角、南アフリカ代表を撃破した試合をテレビで観戦したのがきっかけだった。

「ジャイアントキリング」を目の当たりにし、「不可能はない」と一大決心。勤務先の大手IT企業を退職して難関に挑むことを決めた。ターゲットは1987年の第1回大会から今年9月に開幕する日本大会を含めた計9回のW杯出場25カ国の最高峰である。

高校時代に始めたラグビー、登山は初心者

長澤が楕円球を追いかけるようになったのは高校時代からだ。愛知・明和高校でプレーした3年生の秋、花園への出場を懸けた県予選の決勝で千種高校に惜しくも敗れた。大学も伝統あるサークルでラグビーに取り組み、社会人になってもプレーを続けていた。

それだけに、体力には自信があった。学生時代には「四国八十八カ所巡礼」なども行ったが山登りの経験といえば、「夏の高尾山ぐらいだった」。

それなのになぜ、登山?

ラグビー登山家として挑戦を始めた経緯について語った長澤氏(撮影:今井康一)

「日本大会のトーナメントマーク(ロゴデザイン)に富士山から日の昇る様子があしらわれていたから。あたかも富士山の山頂にトライしているようなデザインと感じた」

それゆえ、登山にはラグビーボールが必須のアイテムだ。

山頂でのトライを目指す。

「リュックサックに入れておいたらご利益がない」

手に抱えたままだと多少、妨げにはなるが、そのおかげで登山仲間とのコミュニケーションがはずむという。「パスをしたら、サラミをもらったこともある」。さながら「名刺代わり」といえそうだ。

次ページ2017年3月から挑戦を開始
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