34歳「脱サラ」ラグビー登山家がW杯に賭す人生 日本大会開幕前に出場25カ国最高峰へトライ
難易度が低いとみられる山から次々と挑戦。2017年3月のポルトガル・トーレ山(海抜1993m)を皮切りに、これまで20カ国の山々を征服した。
2018年10月に登頂したアフリカ・コートジボワールのニンバ山(同1752m)はギニアとの国境に位置。それに連なる山塊を挟んでリベリアとも接している。
一帯は鉱物資源をめぐる紛争などが頻繁に起きる地域。「ふだんはサルの研究者ぐらいしか立ち入ることができない」という。
だが、登山の許可をめぐってやり取りしていたメールの相手が、幸運にもコートジボワールの官公庁のトップだった。手配してくれた軍の応援も得て、登頂に成功した。
2019年1月にトライを決めたトンガのカオ島(同1033m)も“手ごわい相手”だった。同島は無人島。最も近い有人島からは70㎞の距離にあり、足を運ぶには船をチャーターするしかない。しかも、「日本人の登頂例はこれまでなかった」。
しかし、知人に紹介してもらった地元の州知事が大のラグビー好き。トンガといえば、日本でも多くの同国出身選手がプレーしていることで知られる。「日本とトンガ両国の友好のシンボルになる」と立ち入りを認めた州知事は、現地へもガイドとともに同行。「波が荒くて上陸が難しく、さらわれそうになりながらなんとか島へたどり着いた」という。
残る挑戦は富士山を含む5カ国の最高峰
残るはカナダ、アメリカ、ジョージア、ロシア、そして、日本の5カ国の山々。現在、長澤は「#World Try Project」という名称でクラウドファンディングを通じて海外遠征の資金350万円の調達を進めている。4月下旬から8月までにトライを狙う予定だ。
「ラグビーW杯日本大会の盛り上げにも一役買いたい」と考えている長澤は、9月20日の日本対ロシアの開幕戦までに完全征服をもくろむ。大冒険のフィナーレは富士山。開幕直前8月のチャレンジを予定している。2年半で25の山々の登頂となれば、かなりのハイペースだ。
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