34歳「脱サラ」ラグビー登山家がW杯に賭す人生 日本大会開幕前に出場25カ国最高峰へトライ

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2019年2月2日、ロンドンから2人の男性が旅立った。231日間にわたる、東京まで2万㎞余りの長いサイクリングだ。ラグビーW杯の開幕前到着を目指すという。同大会をPRしようとの試みで、大会の公式ロジスティクスパートナーを務めるドイツの物流企業DHLなどが支援している。

このうち、1人は南アフリカ人で、前回イングランド大会前にも南アからロンドンまで約4万2000㎞の距離を自転車で走破した経験がある。こうした取り組みに触発された長澤は「このアイデアを自らの冒険にも取り入れたい」と意気込む。

長澤の夢はつきない

「富士山の山頂を出発点に新たな文化を作り上げたい」。2023年に行われる第10回W杯の開催地はフランス。

「富士山からパリのエッフェル塔や凱旋門へラグビーボールをパスでつなぐといった仕掛けを考えることができれば」などと夢を膨らませる。

長澤奏喜(ながさわ そうき)/ラグビー登山家。2019年日本開催のラグビーワールドカップを盛り上げるために大手IT企業を辞職し2017年に世界初のラグビー登山家になる。過去W杯に出場した25カ国の最高峰にラグビーボールをトライする、# World Try Project を実施中(撮影:今井康一)

「あんなに体を張ってやるスポーツはない。切り傷やすり傷、あざだらけになってもチームのために勇気を振り絞ってタックルし続ける。高校の頃には嫌いだと思っていた時期もあったが、大人になった今ではかけがえのない存在」

こうラグビーについて熱く語る長澤。

「日本代表のラファエレ・ティモシー選手から“がんばれ”と応援のツイートをもらった」

今度は富士山の山頂から長澤がエールを送る番だ。

(文中一部敬称略)

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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