太陽光の42円の買取価格は功罪相半ば 経産省の村上敬亮・新エネルギー対策課長に聞く(上)

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むらかみ・けいすけ● 1968年東京都生まれ。90年通商産業省(現経済産業省)入省。95年から約10年間IT政策を担当。2005 年に資源エネルギー庁総合政策課でエネルギー基本計画の策定に従事。2006 年大臣官房会計課。2007 年7 月に情報政策課企画官。2008 年7月からメディア・コンテンツ課長でソフトパワー戦略を担当。2009 年7月から地球環境対策室長として地球温暖化国際条約交渉を担当。2011年9月から現職。

再生可能エネルギー(以下、再エネ)の全量固定価格買取制度(通称FIT)が2012年7月に導入されてから1年半。直近データでは、13年7月末までに設備認定を受けた再エネの容量は2360万キロワット(kw)、運転開始したものは408万kwとなった。FIT導入前に運転開始したのが2060万kwなので、すでにそれを上回る容量の設備が認定されたことになる。

ただ、設備認定容量の9割以上が買取価格の高い太陽光発電設備に偏っていることや、売電権利だけを取得し運転開始を意図的に遅らせているケースがあることなど、いろいろと問題点も浮上している。

ここまでのFITの評価と今後の課題などについて、政府の再エネ推進役である経済産業省資源エネルギー庁の村上敬亮・新エネルギー対策課長に聞いた。

理由なき運転開始先延ばしは認定取り消しへ

――FIT導入からここまでの全体的な評価は。

太陽光については、約3年分と想定していた量が1年で設備認定されたという感じだ。これには税制の効果が大きい。即時償却できる税制が前期末から2年延長されたことで、4月以降も設備認定が大きく伸びている。

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