悪ふざけバイトへの法的措置は妥当な策なのか

くら寿司など相次ぐ「不適切動画」顰蹙の代償

ほんの出来心からの行為が重大な問題を引き起こすことも(写真:LauriPatterson/iStock)

インターネットのSNSを通じた、外食や小売り、サービス業などの大手チェーンのアルバイト従業員による「不適切動画」問題が、波紋を広げている。

牛丼チェーンすき家のアルバイト店員は、氷を床に投げ、調理用のお玉を股間に当てた。セブン-イレブンの店員は、商品のおでんを吐き出した。ファミリーマートの店員は口で舐めた商品をレジ袋に入れた。ビッグエコーの店員は調理場で食材を床にこすり付けてからフライヤーに入れた。バーミヤンの店員は、中華鍋から上がった炎でタバコに火を付け、厨房でタバコをふかした。

いずれもごく一部の行きすぎた悪ふざけだが、これらの様子が動画に撮影され、SNSで拡散し、大きな批判を生んだ。ビッグエコーとバーミヤンの動画は昨年12月に投稿されたものということだが、いずれにせよ、アルバイト店員などの非正規従業員による不適切動画投稿事件が続いている状況だ。

このうち、法廷闘争にまで発展しそうなのが、回転寿司チェーン「くら寿司」を運営・展開するくらコーポレーションだ。ゴミ箱に廃棄された魚の切り身を、ゴミ箱から拾ってまな板に載せなおした動画を投稿したアルバイト従業員2人に対して、同社は2月8日、雇用契約終了退職処分とともに、刑事・民事を含めた法的措置の準備に入ったことを明らかにした。

従業員にはどのような犯罪が成立しうるか

まず、刑事事件としては業務妨害の成立が考えられる。業務妨害罪には、間接的・無形的な方法で人の業務を妨害する偽計業務妨害罪(刑法233条)と、直接的・有形的な方法で人の業務を妨害する威力業務妨害罪(刑法234条)とがある。

本件では、従業員が一旦ゴミ箱に捨てた魚を取り出し、再びまな板に載せたという行為が問題となっている。当該行為を実際にお客の前でやったとすれば、有形力を行使してくら寿司の業務を妨害したといえるだろう。

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