アメリカの高校がeスポーツに期待する背景 「居場所がない」生徒の生活変えるきっかけに
世界中で事業が盛り上がり2020年には15億ドル市場に伸びると予想されているeスポーツが、米国で昨年秋から高校の公式スポーツとなった。
全国大会の規模はアメフトやバスケットボール級
2018年秋、米国の高校スポーツ界に、新たな風が舞い込んだ。全米州立高校協会(NFHS)が、eスポーツを公式スポーツ種目として認めたのだ。これにより、これまでスポーツとは縁のなかった子どもたちがクラブ活動に従事できると注目されている。
NFHSネットワークのCEOで、最近までNFHSのスポーツディレクターだったマーク・コスキは、2019年1月のシーズンでは18〜20州の高校がeスポーツ州チャンピオン大会を開催し、2万5000人の学生が最初のシーズンに参加と語っている(米インク誌)。
なお、NFHSが持つ放映ネットワークを通じて、全国大会はライブストリーミング中継され、すでにその規模は米国を代表するアメフトやバスケットボール級だ。
eスポーツの最大の魅力は、一人でプレイするのではなく、チームで勝ちを狙うという点だ。大学におけるeスポーツはすでに規模が拡大しており、ゲームやeスポーツを専門にしている調査機関のNewzooの発表によれば、2017年のeスポーツ事業の収入は6億9600万ドル(約760億円)に上るという。そして2020年には、15億ドル市場(約1600億円)に伸びると言われている。
調査会社ニールセンの調べによると、2017年の時点で、世界規模でeスポーツを楽しむファンの数は、約3億人に達し、そのうちミレニアル世代が1億5000万人いるとみられている。
このような広がりを見せるeスポーツ業界で一際注目されているのが、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするIT新興企業、プレイ・バーサス(PlayVS)社だ。オンラインゲームのプラットフォームを提供する企業として着々と資金調達に成功している。