アメリカの高校がeスポーツに期待する背景

「居場所がない」生徒の生活変えるきっかけに

今回の高校生向けeスポーツの公式プラットフォームを提供する企業がプレイ・バーサスだ。先述のマーク・コスキによると、「数あるeスポーツパートナー候補者の中でも、プレイ・バーサスは、教育的視点からなるコンセプト、ミッション、そしてヴィジョンのあらゆる面でピカイチだった」と話す。

ネット知らずで育ったIT企業創業者

そんなプレイ・バーサスを率いるのは、若干26歳のファウンダー(創設者)でCEOのダレン・パーネルだ。インク誌の記事に、「インターネットやコーディングなどとは無縁の世界で育った。なぜなら持ってなかったから」と語ったパーネル。彼の人生は、まさにアメリカンドリームを地で行くようなものだ。

デトロイトのギャングが取り仕切る町で育ったパーネルは、「ほとんどの友達は、すでに死んでしまったか、牢屋にいる」と話す。しかし、13歳で携帯電話販売店の掃除のアルバイトを始め、そこからビジネスを体で学び、高校卒業するまでに、3つの携帯電話販売店を経営するようになったという。その後、ミシガン大学へ進学するも事業と学業のバランスが取れず中退する。

グルーポンのビジネスモデルに感銘を受けたことをきっかけに、IT分野へ急激に興味を持ったパーネルは、次々とIT関連の仕事をしながら業界について学んでいった。同時にIT関係者を集めたミートアップイベント(同業社交流会)を、地元デトロイトで頻繁に主催するようになったという。

デジタル専門メディアのモグルドムによると、その頃すでにアフリカ系アメリカ人ベンチャー・キャピタリストとして、全米で最年少の一人として知られていた。こうしたイベントを通じ、さらに人的ネットワークを広げていった。高速インターネットを扱う企業と仕事をすることを通じてeスポーツに魅了され、2015年に起業。eスポーツに可能性を見いだし、この分野での新しい競技リーグを立ち上げようと画策した。

その後、足を運んだパーティーで、ベンチャー・キャピタルファーム「サイエンス」の代表であるピーター・ファムとの出会いをきっかけに、現在の事業のアイデアを話したところ意気投合し、ファムの出資を受けて、ロサンゼルスでプレイ・バーサスを起業することになったという。

今回同社は、高校生向けeスポーツ公式プラットフォームとしてのシーズン価格は、登録料が、1プレイヤー64ドル(約7000円)と定めた。インク誌によれば、これは各校にとって、1生徒に対して、1ヶ月16ドル(約1700円)の負担となるという。またプレイ・バーサスの収入は初年度から200万ドル(約2億2000万円)に上る見通しだという。

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