【産業天気図・業種別業績予想集計】『会社四季報』2009年1集新春号
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『会社四季報』2009年1集・新春号(08年12月15日発売)の最新データを基にした独自集計によれば、今09年3月期の予想営業利益(金融を除く「全産業」ベース)は前08年3月期比23.9%減と、前号(08年9月16日発売)予想(同7.1%減)から16.8ポイントも後退した。
米国発の金融危機が徐々に実体経済にも影響を及ぼし始め、自動車や電機など製造業中心に大幅な減産に追い込まれている。また、原油価格の急落で原材料高はようやく一服してきた一方で、円高は3カ月前を大幅に上回る水準にまで急ピッチで進んでおり、特に輸出関連企業にとっては大きな痛手となっている。
こうしたなか、今号では銀行、保険を除く31業種中、28業種が今期営業利益の見通しを下方修正。しかも、多くの企業が前期比二ケタの大幅減益見通しとなっている。なかでも最悪なのが、前号ですでに前期比50.4%の減益予想だった「証券業」で、今号では赤字予想に転落。また、従来減益予想だった業種のほとんどで減益幅が拡大する公算で、たとえば「空運業」は前号の同19.5%減から今号は同54.8%まで大幅な減益幅拡大。「非鉄金属」(前号同14.3%減→今号同42.1%減)や「輸送用機器」(前号同28.1%減→今号同57.6%減)、「電気機器」(前号同1.7%減→今号同36.3%減)の下げ幅も大きい。
一方、前号では増益予想だった業種も続々と減益予想へと転落した。代表格は乱高下する原油価格に振り回される「石油・石炭製品」。前号では同17.7%の増益予想だったが、今号では同77.8%減と、業績見通しが急激に悪化。同じく、前号では同15.6%増益の予想だった「建設業」は、今号では一転、同4.1%の減益予想へと変わった。「金属製品」(前号同9.1%増→今号同13.7%減)や、「機械」(前号同1.2%増→今号同19.7%減)、「小売業」(前号同9.2%増→今号同5.0%減)、「不動産業」(前号同1.4%増→今号同20.3%減)なども軒並み業績見通しが悪化した。
かろうじて「食料品」「鉄鋼」および「電気・ガス」(前号は赤字化予想)が前号よりも予想が若干改善しているが、いずれも小幅に過ぎず、個別企業でみると厳しい状況に追い込まれている企業が多いことに変わりはない。
今期の見通しについては惨たんたる状況といえるが、「四季報」の見立てによれば、今期を底に来10年3月期は多少上向く業種もある。多くの業種で来10年3月期予想が前号の見立てからは悪化していることに変わりはないが、「繊維製品」や「医薬品」などは前号から増益幅こそ後退するものの、今期比増益の予想となっている。また、「石炭・石油製品」は前号の減益予想から一転、増益の見込みとなっている。
足元の景気は悪化する一方で、円高など不透明な要素が大きいことも確かだが、今後は来10年3月期に反転できる業界がどれだけ出てくるかが注目点となる。
■業種別営業利益増減率 前年度比
■業種別純益増減率 前年度比
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