講義終了後、グループに分かれて見学へ向かう。まず目に入ったのは天井の照明。LEDではなく蛍光灯だった。あちこちについている監視カメラが気になるのは『相棒』の見過ぎだ。
1階・2階は荷搬エリア。全長1070メートルのコンベアの上を、時速9.7キロとジョギング並みの速さで荷物群が流れていく。コンベアは一枚の帯ではなく、セルが連なっている。1枚のセルの上に1つの荷物。セルの数は1336。ときおり、一部のセルがコンベアの本流とは別の方向へスライドする。だるま落としのイメージ。すると荷物が本流から外れ、支流へ乗る。こうやって仕分けているのだ。
運ばれている荷物はすべて、ヤマトの箱に入っている。アマゾンの箱がひとつもない。ヤマトの袋もない。なぜなら今日流れている荷物はすべてサンプルだから。実際に稼働すれば、もっと見た目は賑やかになるのだろう。
自動運転なので人がいない。車から降ろした荷物を搬送する機械も、そこから荷物をコンベアに乗せるロボットアーム(30キロまでOK)も、オートで動いている。どの荷物をどこへ仕分けるかの情報は、伝票に印刷されたバーコードが持っている。赤い光を放つ装置が、それを適宜読み取る。
上層部は付加価値機能エリア
3階から上は、付加価値機能エリアと名付けられている。1、2階と3階以上を縦につなぐコンベアもある。流れるプールのようなスパイラルコンベアだ。上層階で“付加価値”をつけた荷物を、これで240メートル横へ下へと動かし、下ろしてくるのだ。7階から1階までひと続き。時速3.6キロと言うから、歩くくらいのスピードだが、それでも、人間がエレベーターで運ぶよりは効率が高い。
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