地方で3人ワンオペ育児する主婦が幸せな理由 家業を営む義父母との同居問題を経て…

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焼肉店の経営農家での本田さん。野菜は足を使って満足できるものを探し、直接契約しているそう。このほか全国(富山、名古屋、東京)にある店舗チェックなどが仕事なので出張は多い(写真:本田さん提供)

妻であるボンベイさんがワンオペ育児のスタイルを積極的に選んだいちばんの理由は、「義両親との同居が合わなかった」から。つまり、彼女にとっていちばん疲れることは「自分のプライバシーが少ないこと。自分のペースややり方で家事育児ができないこと」だったのです。

そんな経緯があったので、彼女にとっての今の生活は「ワンオペさせられている生活」ではなく「自由にやらせてもらっている生活」という捉え方なのだそう。

ちなみに今は、義父母とは同居時代よりも仲がいいそうです。お互いにいい距離感がとれるようになって、関係性もよくなり、全員が「別居してよかったね」と話しているとか。そんなパターンもあるんだ!とビックリしたのですが、仕事が全員一緒ということもあって、この家庭にはベストな生活スタイルは別居という形だったのでしょう。

譲れないものがあるのなら、とことん説得する

そこで、今回の話から学んだ「家族がつかれないためのヒント」は……

自分の自由がない生活につかれた

その自由がどうしても必要なものならば
とことん家族と交渉し、説得しよう。

人によっては「毎日の家事育児の手は多ければ多いほうがいい。生活の中で少しでも休憩時間が多く取れることこそ自分の自由!」という人もいることでしょう。なのでこれは「自分にとっての自由」が何かということをちゃんと見極める、という話でもあるような気がします。

ちなみに、これはワンオペ育児を推奨する話ではありません。ただ、このボンベイさんのように、結果的にワンオペを選ぶことになった、そうならざるを得なかった、という家庭はとても多いのが現実です。そしてワンオペ育児は本当に過酷。

では、ワンオペ育児状態でも、せめて少しでもつかれを減らすにはどうしたらいいのでしょうか?

ボンベイさんの場合も、いくらこういう前提があり、夫には仕事に集中してもらいたいという信念があるからといっても、双子含む3人の乳幼児の育児はそうカンタンなものではありませんでした。ではいったいどうやってそれを成立させているのでしょう?次回は、この夫婦の家事育児分担の詳細について紹介します。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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