東証1部社数半減に募る投資家の不満と不安 1部銘柄から外れれば「株価暴落」は必至に
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2018年10月以降の複数の全国紙による「東証1部上場会社の数を大幅に削減する」との報道が、市場関係者の間に疑心暗鬼を生んでいる。
アメリカ系エンゲージメントファンドであるRMBキャピタルの細水政和氏は「(新たに)プレミアム市場を創設して東証1部の社数を半減させるなど言語道断。東証は市場の安定性、継続性を重視し、市場参加者が安心して投資できる環境を整える役割に徹するべきだ」と憤る。
中小型銘柄を中心に運用する担当者も「上場基準を緩和し、上場会社数を増やす方針を20年以上にわたって東証がとってきたからこそ、その方針に沿って運用してきた。それをいきなり、増え過ぎた、想定外の会社も入ってしまった、だから減らす、ではいくらなんでも乱暴」と手厳しい。
ジャスダック、マザースで異なる昇格基準
各種報道を総合すると、東証1部市場を時価総額で足切りしてプレミアム市場とそれ以外の2つに分ける。その際の足切りラインとして有力なのは500億円もしくは1000億円。さらに、役割の違いが不明確な東証2部とジャスダックを統合し、東証1部への昇格基準も、マザーズ(時価総額40億円以上)とジャスダック(250億円以上)とで統一することが検討されているようだ。
1990年代半ばまで1200社あまりだった東証1部の上場社数は増加の一途をたどり、現在は2100社あまり。全上場会社数の6割に迫る。
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