東証1部社数半減に募る投資家の不満と不安

1部銘柄から外れれば「株価暴落」は必至に

2013年7月に東証と大証が統合してから5年が経過した。上場会社の負担や投資家の混乱を回避するため、可能な限り現状を維持してきたが、改善すべき点が見受けられるので、市場構造をめぐる諸問題やそれを踏まえた今後のあり方を検討する。それが懇談会設置の目的だ。

12月21日には論点ペーパーや関連データを公開したうえで、2019年1月31日を期限として意見募集(パブリックコメント募集)を開始。この論点ペーパーに記された意見募集項目には、現在4つある各市場それぞれのあり方をどう位置付けるのかといった質問が並ぶ。

1部市場については、ステップアップ先の市場に上場する会社として求められる基準や義務、時価総額や流動性、ガバナンス、内部管理体制などを例に挙げ、それぞれの水準がどうあるべきかを問う質問が設けられている。

東証は結論をすでに決めている?

一連の報道が、この論点ペーパーの意味するところを解説していると考えれば、不利益を被る投資家から、「すでに東証は結論を決めているのではないか」と疑う声が出るのも当然だろう。

日本取引所グループの清田・代表執行役グループCEO(撮影:大澤誠)

そもそも懇談会発足を表明した10月29日の会見の場で、日本取引所グループの清田瞭CEOは「4市場(1部、2部、ジャスダック、マザーズ)は多い」「(結論の時期について)あまり時間をかけるものではない」と発言している。懇談会の委員の1人である野村総合研究所未来創発センター・フェローの大崎貞和氏が、個人として公に表明している意見と各種報道もほぼ一致している。

今回のプロセスが異例であることも不利益を被る投資家に不信を抱かせる原因になっている。

まず懇談会のメンバー構成だ。座長は会社法の大家である学習院大学大学院法務研究科の神田秀樹教授だ。以下、立正大学の池尾和人・経済学部教授、前出の大崎フェロー、日本総合研究所の翁百合・理事長、早稲田大学の黒沼悦郎・法学学術院教授、それに西村あさひ法律事務所の武井一浩弁護士と、6名全員が有識者。市場関係者は1人も入っていない。これが市場の意見を無視してコトを進める気ではないかという疑いを抱かせている。

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