日経平均株価はもっと上がりたがっている 不透明感は消えないがすでに相場は反転した

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今後も50ドル台の展開が予想され、投機資金や実体経済への影響を考えると、原油においては新しい「適温相場」が始まったと筆者は考えている。原油に連動するドル円相場も同じことが言えるのではないか。アメリカ経済の後退懸念は存在するが、金利やFRB(米連邦準備制度理事会)の資産縮小ペースはいつでも調整可能で、政策の自由度は大きく、ドル急落の懸念も薄れてきた。1ドル=108円~110円程度の「適温」が定着する様相で、これは株価を安定要因となりそうだ。

企業業績もしかりだ。一足早く米決算発表が本格化しているが、主要企業500社のうち112社が決算発表を終え、ある機関の調査ではこのうち約72%が市場予想を上回る内容だったとのことだ。また閉鎖が続く一部政府機関について、共和・民主両党が暫定予算で合意し、2月15日まで3週間だけではあるが「再開」されることになり、週末のダウの上げ幅は一時300ドルを超えた。

一方、IMF(国際通貨基金)は先週の21日(月)に2019年世界経済見通しを3.5%成長に下方修正した。特にドイツとイタリアの下方修正は大きく、続く24日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では「今年夏までゼロ金利を据え置き、最初の利上げ後も保有債券償還金の再投資を継続する」とハト派的内容にならざるを得なかった。

世界的「政策総動員」の様相だ。ここで注目すべきは、インドと日本が上方修正されていることである。特に日本においては世界で唯一、2020年も上方修正となっている。テーパリング(緩和縮小)体勢に入っている米欧と、緩和体勢を続けている日本との違いが鮮明だ。

米欧の金融当局も、このIMFの見通しや、国内景気の数字を見ながら細やかなコントロールをしてくると思う。不安は減速が鮮明になっている中国経済だが、かの国は「共産党の教義」を実行する特殊な国であるということを忘れてはならない。自由主義国の経済原理だけで見るのは大きな間違いだ。

しかも、今年は中国建国70周年を迎える節目の年で、これは単なる記念の年ではない。過去の米ソ冷戦は軍事的冷戦でカギを握っていたのは「核」だったが、現在の米中冷戦の鍵は「経済」だ。世界経済を安易にネガティブ視していると間違うと筆者は思っている。

日本株の「お彼岸ダメ押し」を予想する向きは多い。だが、すでに中小型から底入れ反転は始まっている。日本のマザーズ指数はクリスマス安値から先週末までは27.7%の上昇で、強弱転換の20%をすでに超えた。NY株においてはその20%への確率が高まる「12%のアノマリー」をナスダック(直近安値から15.7%高)やラッセル2000(同17%高)の小型系だけでなく、ダウ(同13.51%高)やS&P500(同13.31%)の主力株までもが越えて来た。

 今週の日経平均は、FOMC、雇用統計と注目材料はある。だがいよいよ抵抗の激しい2万1000円の本格的攻防戦に入る。世界の不透明感は消えないが、株価は上がりたがっている。これらを総合して、日経平均の予想レンジは2万0500円~2万1200円とする。

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