「エラー運賃」を航空会社が多発させる事情 ファーストクラスが9万円で販売されていた

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ちなみにこうしたエラー運賃は世界中のどこからどこへ行くのか、当然だが事前に予想がつかない。米国発や欧州発に比べ日本発のエラー運賃はそれほど多くないが、アジア発ということであれば今回のキャセイパシフィック航空のファーストクラスのような運賃がたまに見つかる。

だが、発券地へ行く航空券は別途用意しなければならない。その分の時間と費用のロスも勘案して総合的に購入すべきか判断する必要がある。今回、筆者も2019年10月のダナン発ニューヨーク行きの予約発券を済ませ、ダナンまでのLCCの航空券を別途購入した。

アメリカの航空会社は注意

だが、知人から「その航空券使うために東京からダナンに行く。東京からハノイ経由のダナンもニューヨーク直行便もトータルとしての所要時間としてはそれほど変わらない」ともっともな指摘を受けた。ファーストクラスはたしかに快適だろうが、そこにたどり着くまでが楽ではないということだ。

筆者は「ダナンにはずいぶん行っていないからちょうどいいチャンスだ」と反論したが、自分の好みのところに行きたいというよりも、エラー運賃のチケットの発券地・目的地にあわせて柔軟に対応する人でないとメリットを見いだしづらいだろう。海外発海外行きなのでトータルの渡航日数もある程度必要となる。

エラー運賃を見つけた場合は一刻も早く予約・発券したほうがよい。過去に予約をしても発券を保留していたために買えない事例があった。仮にエラー運賃を航空会社が認めない場合は全額返金される。ちなみにアメリカの航空会社やアメリカの旅行予約サイトでは、アメリカの法律により24時間以内に予約した航空券は無料でキャンセルできることが保障されていることも頭に入れておきたい。

エラー運賃を無事購入できたとしても、少なくとも2週間ほどは発券地までの航空券やホテルなどの手配は控えたほうがよいだろう。エラー運賃が無効になったら、それらをすべてキャンセルしなければならないからだ。

エラー運賃はビッグデータ時代の副産物といえる。航空会社も対策を講じてはいるだろうが、人間が関与する以上、ヒューマンエラーを根絶することは難しい。人命に関わるようなエラーならともかく、たまにはこういうエラーがあって、庶民でも思いがけず安い旅行ができる可能性があるというのもまた一興と考えるのは手前味噌すぎるだろうか。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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