ホンダ、爆売れジェットで狙う航空業界変革 「生みの親」藤野CEOがこだわった価値観とは
抵抗勢力があっても性能では負けない
――2015年に発売してからこれまでの総括をお願いします。
発売から2年半が経ち、ようやく生産が軌道に乗ってきた。手作業が多いので、人が慣れてくると作業がどんどん早くなってくる。商品としての評判も予想よりよい。操縦する人が「明らかに違う」と言ってくれているのは、アビオニクス(航空機内電子制御機器)など、性能の部分だろう。操縦しない人も「ものすごく静かで、乗り心地がいい」と驚いてくれる。
――業界での反響も非常に大きいです。ライバル会社からはどう見られていますか。
ジェット業界からは、最初は「自動車屋に何ができる」と無視された。少し評判が上がると「アメリカでは通用しないよ」、航空機の製造認定が近づくと「認定取れるわけないよ」と、いざ取れそうになると「絶対取れるわけない」といってホンダのお客さんの不安をあおる。認定を取ったあとも、「認定は取ったが安心できない」と・・・・・・。今はとにかく、批判を1つずつ潰していくしかない。どんな世界でもそうだが、いちばんになると抵抗勢力がなんとか阻止しようとしてくる。
ホンダジェットの登場後、ライバル製品にも変化が出てきている。とはいえ、性能ではホンダジェットに勝てない。向こうもわかっているので最近は、インテリアや塗装を近づけたり、アビオニクスのサプライヤーをまねしたり、ウェブサイトまで似せてきたりしている。
まずは小型ジェット機におけるシェアを確実なものにしたい。ニューヨーク―マイアミなど、世界でビジネスジェットの就航数が多いルートトップ10のうち、5ルートはカバーできており、残りの5ルートをどう取るか。また、小型ジェット機セグメントでは、シェアの40%程度を占めるが、これを(改良機の)「ホンダジェット エリート」でどこまで上げられるかに挑戦する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら