「ホンダジェット」新型機で旋風拡大できるか

航続距離を17%改善、念願の国内販売も開始

ホンダが5月に発表した「ホンダジェット エリート」。航続距離を現行機よりも約17%伸ばした(写真:ホンダ)

「ホンダジェット」が航空業界に大旋風を巻き起こしている。

「ホンダジェットの静粛性、操縦を左右するアビオニクス(航空電子機器)の性能は、エンブラエルやセスナの他機種を凌駕するクオリティだ」。こう絶賛するアメリカ・ワシントン州在住のトラヴィス・ホランド氏は、自ら航空サービス会社を運営しているパイロット。2017年に顧客が買ったホンダジェットを80日間操縦し、世界中を飛び回ったという。

「ホンダジェット エリート」のコックピット。最新の航空電子機器を搭載している(写真:ホンダ)

ホンダジェットはパイロットを含めて最大7人乗りの小型ビジネスジェット機。ホンダが足かけ30年かけて開発し、2015年に発売した。最高速度や燃費性能、室内サイズなどで競合機種を圧倒する。2017年には欧米を中心に43機を納入。セスナの「サイテーションM2」の39機を抜き、小型ジェット機のデリバリー(顧客への納入数)で世界首位に躍り出た。

日本のビジネスジェット需要を掘り起こす

ホンダジェットの販売は海外で先行していたが、6月6日、ホンダは日本での販売開始を発表した。販売するのは、航続距離が2661キロメートルと現行機よりも約17%(396キロメートル)伸びた改良機の「ホンダジェット エリート」。東京からソウルや北京へもノンストップで運航が可能だ。スイス・ジュネーブで5月下旬に開かれたビジネス航空ショーで発表された機種で、販売価格は525万ドル(約5億8000万円)。2019年前半の初納入を目指す。

「ホンダジェット エリート」の国内での販売や整備は、丸紅エアロスペースが担う(撮影:大澤 誠)

ホンダジェットの生みの親でもあるホンダ エアクラフト カンパニーの藤野道格(みちまさ)CEOは、「ホンダジェット エリートで国内のビジネスジェット機需要を掘り起こし、市場規模を4~5年かけて現在の2倍にしたい。着実に機数を増やしていくことが大切だ」と意気込む。

しかし、日本のビジネスジェット機の市場は非常に小さい。民間機に至っては30機ほどしかなく、米国の約2万機に比べると、ほぼないに等しい。土地が狭く、「ビジネスジェット=ぜいたく」というイメージの強い日本で、その需要はどれだけ高まるのだろうか。

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