日経平均は反発、「日電産ショック」は回避 企業業績の下方修正はかなり織りこんだのか
[東京 18日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶり反発。前日の米国株高やドル高/円安に振れた為替を支えに買いが優勢となり、上げ幅は一時270円を超えた。終値は12月19日以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。業績予想を下方修正した日本電産<6594.T>の株価が急落後、下げ渋る動きをみせたことも投資家心理の回復に寄与した。
騰落率は日経平均が前日比1.29%高。TOPIXが同0.93%高となった。TOPIXも1カ月ぶりの高値水準で引けた。セクター別ではパルプ・紙、精密機器を除く31業種が上昇。不動産が上昇率トップとなり、海運がこれに続いた。
日経平均は25日移動平均線を上抜けると一段高となった。ムニューシン米財務長官が中国の輸入品に課されている関税の一部または全部を撤廃することを提案したと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことも、投資家の関心を集めた。米財務省報道官は否定したが、米中通商協議の進展期待が全体相場を下支えした。
「株安につながる材料に追従する動きが出にくくなった」(国内証券トレーダー)との声もある。10日に業績予想を下方修正した安川電機<6506.T>の株価が翌11日に上昇。これに続き17日に今期の業績について増益予想から一転減益となる見通しを発表した日本電産<6594.T>が朝方に8%近く下落した後、下げ幅を縮小する底堅い動きをみせた。同社株は1.13%安で取引を終了した。
三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は「今月下旬から本格化する決算発表では、業績予想の下方修正の動きが出てくるとみられるが、相当な部分は株価に織り込まれてしまった可能性が高い。決算発表後はアク抜け感も意識されそうだ」と指摘する。
個別銘柄ではこのほか、廣済堂<7868.T>がストップ高比例配分。同社は17日、ベインキャピタル系ファンドがMBO(経営陣による買収)の一環として株式公開買い付けを実施すると発表した。買い付け価格は1株610円。買い付け株数に上限を設定しておらず、株価は買い付け価格にさや寄せした。
一方、日立製作所<6501.T>は小幅安。同社は17日、英国で進めていた原子力発電所の建設計画を凍結すると発表した。2019年3月期連結決算で約3000億円の損失を計上。最終利益予想を下方修正した。原発関連での巨額の費用負担に対する懸念が重しとなっていた同社株は、事前の観測報道を受け上昇していたが、正式発表を受け材料出尽くしと受け止めた売りが出た。ただ下値では押し目買いが入り下げ渋った。
東証1部の騰落数は、値上がり1538銘柄に対し、値下がりが525銘柄、変わらずが65銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 20666.07 +263.80
寄り付き 20472.81
安値/高値 20454.13─20682.12
TOPIX<.TOPX>
終値 1557.59+14.39
寄り付き 1547.09
安値/高値 1546.83─1562.64
東証出来高(万株) 115095
東証売買代金(億円) 21529.34
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