クレジットカード「勝手に使われている」恐怖 サイバー攻撃は身近なところで起こっている

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提供した個人情報は、企業のデータベースに蓄積される。企業側としてはもちろん、エンドユーザーの情報を守るべく対策はとっているに違いない。だがそれでも、外部のハッカーや内部の人間に盗まれて流出してしまうケースはある。事実、そうした事件がニュースなどで報道されることは少なくない。

クレジットカード情報を使った詐欺は、クレジットカードの持ち主を特定し、その人の行動パターンを把握すればするほど、発覚しにくくなります。持ち主がよく利用する百貨店や通販サイトなどに不正な買い物を紛れ込ませれば、持ち主がそれに気づきにくくなるからです。
フェイスブックやツイッター、ブログなど、サイバー空間には簡単にアクセスできる個人情報が溢れていますから、クレジットカード情報を元に本人を特定するのはさほど難しくありません。(20〜21ページより)

かくして持ち主が特定されると、さらに、いろいろな情報を収集することが可能になる。フェイスブックやツイッターなどで位置情報を公開している人は多く、それどころか「○○のお店で食事中!」などと、自分がいる場所を書き込んだり呟いたりする人もいる。そうした行動がリスクになるということだ。

また、銀座の高級ブティックやブランドのアンテナショップによく出入りする人が位置情報を公開したとしたら、標的にされる可能性は高くなるという。なぜなら、そんなところに出入りする人はお金持ちだと予想されるからだ。その人がフェイスブックやブログに頻繁に書き込みをしていれば、行動パターンが手にとるようにわかるため、さらに狙われやすくなるという構図である。

購入履歴が盗まれていると、不正はもっと発覚しにくくなります。ああ、この人は伊勢丹や高島屋で1度に10万円ぐらいの買い物は珍しくないね。じゃ、2、3カ月に1度ぐらいなら、盗んだカード情報を使って10万円までの買い物なら、やってもばれないな――というような具合です。(21〜22ページより)

クレジットカード会社は、顧客の購入履歴をある程度は監視している。昨日、日本で買い物をしていた人が、今日の午前はアメリカで、午後はサウジアラビアで買い物をしたりするのはおかしいので、カードが不正に利用されているのではないかと疑問を持つわけである。

しかし、横浜に住む人のクレジットカードを使って横浜の店で不正に買い物をしても、カード会社に不審に思われることはない。クレジットカード情報と持ち主の個人情報や行動パターンが結びつくと、監視から逃れることは難しくないということ。

つまりはこのように、詐欺の被害に遭うことは誰でも十分にありうるのだ。

“Connected World”がもたらすリスク

だが、問題はそれだけではないようだ。これらはIT(インターネットを媒介した情報技術)の問題だが、先にも触れたとおり、今後あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代になると“Connected World”が到来し、リスクはさらに高まるというのである。

Connected World――あらゆるものがインターネットでつながる世界――では、サイバー空間でさまざまな情報の送受信が頻繁に繰り返されます。別の言い方をすると、サイバー空間ではあなたの生活が丸裸にされているということです。丸裸といっても、もちろん、機械には情報の意味はわかりません。単なるデジタル信号に過ぎません。しかし、ひとたびサイバー攻撃の被害に遭い、その情報が盗まれて人間の手に渡れば、文字通り、あなたの生活は丸裸になってしまいます。
Connected Worldとはそのような世界であり、それが新たな脅威となるのです。(169〜170ページより)
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