犬猫の「殺処分ゼロ」を目指す動物病院の挑戦 殺される動物たちを少しでも減らしたい
また、「TNR日本動物福祉病院」では定期的に里親会を開催し、恵まれない環境にいた猫が、治療や不妊治療を終えた後に安心して暮らせる居場所へと導くサポートもしています。
「(譲渡の際は、家まで)お届けをするのがすごく大事だと思っています。家に直接行ってみないとわからないことは結構ある。起きることを想定して、ドアは二重にしなきゃいけないとか、細かいところまでお話ししてから譲渡しています」
里親譲渡を進めては、またセンターから猫を引き取るということを続けているのです。
福島での動物レスキュー 救えた約1000頭の命
結さんは、2011年の東日本大震災の際、動物福祉を目的としたこの動物病院の存在意義を強く感じたと話します。
「この病院がなかったら助けられなかったなというのがありますね」
当時、結さんは仲間と原発事故で警戒区域となった楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の5つの町に入り、「福島被災動物レスキュー」に参加。取り残された動物たちを救助する活動を始めました。原発事故以降、結さんは来る日も来る日も福島県の浜通り各地に救助に入り続けました。
「広いですから、すごい数でした。あふれてあふれて。言葉にはできませんでしたね。最初行った時は飼い主さんからのご依頼で、ガラスを割って入ったりして、保護して。そうして頼まれたところの子を車に乗せて連れてきて。そういうところから始まりました」