犬猫の「殺処分ゼロ」を目指す動物病院の挑戦 殺される動物たちを少しでも減らしたい
結さんは震災前年に病院を立ち上げており、保護した動物を受け入れることができました。
「場所は限られているけれども積み上げてでもぎゅうぎゅうになってでも、一度は入れられたから、ある程度の医療を施すことができました。また、『これなら移動しても大丈夫』という応急的な処置をして県外に移動したこともありました」
8年にわたるレスキュー活動は、取り残されている猫全頭保護が達成し、昨年(2018年)末に終了。約1000頭の命を救出することができました。
「ずっと最後までやって。失った子もたくさんいましたが、『できるんだ』ということも感じました。逆に、できる人が少ないんだということもわかって。だからやっぱり『自分でできるところを一生懸命やろう』と。それはやっぱり現場かな、助けるってことかな、って」
初めてのクラウドファンディングに挑戦
人間の都合によって飼われ、そして捨てられ、殺されてしまう動物たちを少しでも減らしたい。
結さんは今、医療機器や診察室の拡充をはかり救える命を増やそうと、約1000万円の資金調達を目指しています。拡充に必要な経費約2000万円のうち、半分をクラウドファンディングで調達したいと言います。
昨年(2018年)11月に、より広い施設へと病院を移転しました。現在の2倍の不妊手術数(300匹)を実現するために、手術台を追加したいと考えています。また、診察室を2室から3室に増やすための診療台、重症の動物の酸素室、1台しかない顕微鏡の補充も必要です。
さらには、古くなった設備機材の更新についても、充実した医療を提供するためには欠かせません。「TNR日本動物福祉病院」で使われている血液の検査をする機械は、開院当初から使われている7〜8年もの。
「(新しく販売されているものは)精度も時間も違う。以前測れなかった項目で今測るべき項目がたくさん出てきているので、それを見ることができればできることが増えます。まず、早期に治療方針を決めることができる。また、どうしてもここで測れないものは外注検査で測るので医療費が高くなってしまい提案もしづらくなるのですが、それが病院内でできれば医療費も抑えられる」と「TNR日本動物福祉病院」の医師は話します。
「動物に限らず、弱い人、もの、そういう存在に手を差し伸べられるような社会にしたいと思っています。今、病院という形は実現できましたから、その中でどれだけ(殺処分ゼロに向けての)結果を出すための早道を実行していけるか。飼い主のいない動物たちへの無料不妊手術の実現を達成し、その結果も出したいと思っています。そのために、力をお借りできたらと思っています」と結さん。
クラウドファンディングは1月28日まで。
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