31歳、ゼロからやり直す「巨人ドラ1」の進む道 大阪桐蔭のエース・辻内崇伸と女子プロ野球
監督業の難しさを肌で感じた1年間
「連覇を目指して臨んだシーズンだったのですが、結果は最下位の3位。戦力的には上だったと思うのですが、選手たちに力を発揮させてあげられなかった。監督としての力量のなさが敗因です。うちの両親はやめることを残念がっていましたが、妻は僕の決断を尊重してくれました。これからのことは妻と娘が待っている秋田にいったん移って、話し合いながら決めていこうと思っています」
今シーズン、女子プロ野球の埼玉アストライアで初めて監督を経験した辻内崇伸は、監督業の難しさを痛感したと話す。
「本当に大変でしたね。チーム全体を見るのは当然ですし、試合では作戦面や選手起用で頭をフル回転させる。しかも攻撃が終わっても守備、守備が終わっても攻撃と、つねに気が休まるところがない。最初のころは本当に頭が痛くなりました。
試合は2時間くらいで終わるんですけど、すごくしんどかった。脳が疲れて甘いものが欲しくなるのでチョコレートを食べながらやっていたほどです。でも、すごく勉強になりましたし、それまでは特に考えずに野球をやっていたんだと気づかされました」
辻内は今夏の甲子園で史上初となる2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校出身。そこで野球を教わった彼が言うのだから、監督の仕事はいかに大変かが伝わってくる。