埼玉発「山田うどん」が熱烈に支持されるワケ 半世紀以上続く地元密着チェーンの哲学とは

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5代目となる山田裕朗社長は「カロリーのK点超え」を掲げ、炭水化物メインの商品を次々と打ち出している(撮影:今井康一)

山田社長は「女性店長は顧客の顔を見て対応する応用力が高い。それが家庭的な雰囲気につながっているのではないか」と分析する。実際、山田うどんの店舗に行くと「久し振りですね」や「今日は何にするの?」といった接客を見かける。チェーン店でありながら、地元の定食屋のようなアットホームな接客が常連客のハートをつかんでいるようだ。

食堂アピールで家族客が増加

自らの強みをひたすら磨いてきた山田うどんだが、近年では変化も見られる。先述した鍋焼きうどんや、2018年夏に販売したサラダうどんなど、600~700円台の商品も提供し始めた。同社の商品では比較的高価格帯に入るが、山田社長は「競争の激しい外食業界で選択肢に入れてもらうためには、安くてボリュームのある定番商品と季節商品との両輪で勝負したい」と話す。

2018年7月からは、新店や改装店舗から順次、屋号を「山田うどん」から「山田うどん食堂」に変更している。メニューは従来と変わっていないが、「食堂」と銘打つことでうどん以外も扱っていることをアピールする狙いだ。

「古い建物が敬遠されていた部分もあると思うので、リニューアルして看板も変えて呼び込みたい。新店を増やすよりも、今ある既存店でお客さんを増やすほうが確実」と山田社長。「食堂」のアピールに加え、看板のライトアップにより視認性が上がったこともあって、狙いどおりファミリー層の来客が主に土日に増加しているという。

コシのない柔らかい麺や炭水化物づくしなどの特徴は、現在のトレンドとは異なっても、客が熱烈に支持するためいじらない。一方で季節商品やファミリー層の取り込みなど、自身の強みを殺さない部分では積極的に変化する。“不易流行”の姿勢で昭和から平成を生き抜いてきた山田うどん。次の時代も埼玉で変わらぬ存在感を放つだろう。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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