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田中圭やDA PUMPが2018年ブレークした理由 ビジネスチャンスは「真ん中」にあった

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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第一に考えられるのは、人々の「安心して楽しめるものがいい」「新しいものに手を出して失敗したくない」という安定・安全思考。2010年代に入ってから、その傾向がありましたが、地震や豪雨などの自然災害、スポーツ界のパワハラ騒動などの暗いニュースが続いたからか、今年はとくに顕著だった感があります。

たとえば、田中圭さんなどの顔と名前、実力があることを知っている俳優がブレークしたことや、ある程度ストーリー展開が予想できる『劇場版コード・ブルー』がナンバーワンヒットになったのは、その最たる例。新たな刺激に触れて一喜一憂するより、安定・安全なチョイスで「やっぱりいいよね」という感覚を得ることを選んでいたのです。

制作サイドがそんな視聴者の思考傾向を踏まえて田中圭さんを起用し、『劇場版コード・ブルー』を制作したのは間違いありません。これは同時に、「新しいものには簡単に飛びついてもらえない」「“新星”を大々的に売り出してもなかなかブレークしない」ことによる制作サイドの安定・安全策とも言えます。

つまり、「安定・安全策をしながらできるだけヒットを狙おう」という戦略なのですが、だからといって「“新星”や“新作”をおろそかにしていい」というわけではありません。“中堅”“シリーズ作”に頼りすぎると、それが飽きられた数年後の苦境を招きかねないだけに、新たな芽をしっかりまいておくべきでしょう。

あらゆる業界で「Re」がキーワードに

エンタメや芸能人に限らず、2018年のヒット商品に目を向けると、『日経トレンディ』の「2018年ヒット商品 ベスト30」には、すでに販売されていた商品を生かしたものが複数ランクインしていました。

なかでも、「ドライブレコーダー」「ペットボトルコーヒー」「aibo」「明治エッセル スーパーカップ スイーツ」「お椀で食べるカップヌードル」には、前述した人々や企業の安定・安全思考がうかがえます。

「安定・安全策をしながら、できるだけヒットを狙おう」というスタンスは、エンタメや芸能人と同様。新商品を作るより、リニューアル、リブランディング、リバイバルなどの「Re」がキーワードになっています。

この状況は、「過去のヒット商品やブランドを持つ企業ほどチャンスがある」ということであり、来年も多くの「Re」戦略が見られるでしょう。また、過去のヒット商品やブランドを再活用できていない企業は、あらためて仕掛けるべきなのかもしれません。

最後に話をエンタメや芸能人に戻すと、昭和と平成の蓄積があるテレビ・映画・音楽など各業界の人々が「再ブームを狙っている」と言われています。2019年、あなたがかつて親しんだコンテンツや人がフィーチャーされているのではないでしょうか。

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