娘とうまくいかない父親に共通する思い込み 母親まかせはNG、成長に合わせた接し方を
ここまで幼少期からの対応法を述べたが、あなたの娘がすでに小学生、中学生、あるいは高校生だとしても決して遅いことはない。そのとき、娘が必要としていることを見極め、実行していこう。過去に傷つけたと思うことがあれば、素直に謝る。親が子どもに詫びるということの重さを、いつか娘も理解するときがくる。そのときのために謝ろう。
本書で伝えたかった大きな柱の1つは「娘を社会の中で生きていける、自立した女性として育てるために、父親はどうしたらよいのか」ということである。「女の子は成人したらいい人に嫁がせれば安心」という時代は終わった。
現代女性は、社会に出て働き、結婚後も出産後も、さまざまな困難にぶつかりながら生きていかなくてはならない。困難な状況において、自分を適応状態にもっていく自我調整能力を「エゴ・レジリエンス」という。わかりやすく言うと「がんばる力」「めげない力」になるだろうか。
父親が得意な「戦略」を生かそう
この力を育むには、好奇心、柔軟性、立ち直り力が必要で、この3つを育てるストラテジー(戦略)を立てるのは父親が得意とする役割である。
なぜなら、父親は、仕事で磨いたノウハウを使って子育てにも戦略を立てることが上手にできるからである。さらに父親はもっとも身近な異性であり、異性であるがゆえに特別な存在として娘の一生に関わることができるからだ。
このほど私は、『パパのための娘トリセツ』(講談社)を監修出版した。本書のタイトル「パパのため」には、「父親の役割」の意味もある。父と娘の関係は、くっついたり離れたり一定では続かないものだが、発達心理学は、娘自身でも気づかない心の変化や成長過程を知る手がかりになる。
娘が将来、力強く自分の人生を歩むことができるなら、いっとき嫌われることも、よしとしておく度量が必要ということを教えてくれるのだ。
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