老けこむ人は「声の出し方」が間違っている 1万人以上の声を聞いてきたプロが教える
……と、お伝えしても、なかなかイメージがつかめないですよね。頬骨の下あたりに人差し指をのせ、その指で頬を目の下まで縦にぐっと押し上げてください。そのまま笑顔で「いー」と発声。これが正しい笑顔と正しい「いー」の発声です。
口角挙筋は筋膜で横隔膜とつながっているため、口角挙筋を使って発声すると自然に腹式呼吸になります。しかも、口角挙筋を使うと、息が自動的に鼻腔に流れこむので、声を鼻腔で響かせることができるのです。鼻腔とは、鼻の後ろ側になる空洞のこと。この気管や口腔よりも大きな空洞、鼻腔で共鳴した声はクリアでつややかな響きがあるのです。
喉ではなく、目の後ろまで広がっている空洞の「鼻腔」に、声を響かせる。この響かせ方を鼻腔共鳴と言います。
この鼻腔共鳴を使った発声法を身につければ、喉を痛めることなく、響きある声が手に入りますので、大人の声変わりとも無縁に。そしてこの発声法は、声以外の思わぬ効果ももたらしたのです。
アイドルたちの顔がキュッとひきしまった
僕はこれまで、ボイストレーナーとして、一般の方には1万人以上の声を診てきました。同時に、数多くのアイドルたちに発声の指導もしてきました。通常、ボイストレーニングというのは、ある程度時間をかけて教えていくのですが、デビューを目前に控えたアイドルには時間がありません。
そこで僕は、手っ取り早く習得できるよう、口角挙筋を使って声を出すよう、鼻腔共鳴の発声法を指導したのです。するとどうでしょう。声の変化はもちろん、その子たちの顔がみるみるひきしまっていき、目がぱっちりした小顔に変わっていったのです。
声がよくなるだけでなく、顔まですてきに変化するということで、僕のレッスンはアイドルの間で評判になり、一時期はその予約で埋め尽くされていたほどです。
声が変わるだけでなく顔まで変わってしまう。これは、口角挙筋という表情筋からアプローチする発声法だからこその効果でした。また、声を出すことで酸素を十分に取り込みながら表情筋を動かすため、表情筋という筋肉にとって非常に効果的なトレーニングになるのです。
ちなみに、このトレーニングは即効性があります。美顔ボイトレのレッスンを受けた方は、たった1回のレッスンでも、ご自分の顔の変化にびっくりされます。
もちろん、トレーニングを毎日続けていけば、顔全体がリフトアップされ、表情も変わってきます。レッスン生のなかには、フェイスブックで顔認証されなくなるほど、顔が変化したという方もいるほどです。
世界にはいろいろな言語があり、言語によって発声の方法が違います。なかでも日本語は母音が少なく、表情筋を使わず、口の中だけでも発声できる言語といわれています。
口の中だけで声を出すと、どうしてもくぐもってしまい、声の通りが悪くなります。そのため、アナウンサーのみなさんは口を大きく開けて発声するよう教えられるようですが、鳥山式発声法では、口を大きく開ける発声法はNGです。
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