マツダとボルボが高評価を総なめにする理由 一度クルマづくりをリセットしたのが大きい

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つまり1999年から2008年までの10年は、ボルボとマツダは同じ傘の下にいた。共同開発も行った。その結果生まれたのが初代「アクセラ」であり、ボルボ、フォードとプラットフォームを共用していた。また初代「アテンザ」に積まれたマツダ開発の直列4気筒エンジンは、フォードやボルボにも積まれた。

ボルボでアクセラとプラットフォームを共有していたのはセダンの「S40」、ワゴンの「V50」、ハッチバックの「C30」と「V40」、クーペカブリオレの「C70」だった。つまり現行ボルボで最もキャリアの長いV40は、マツダと血のつながりがある。

5年で乗用車全車種を新世代商品に切り替えたマツダ

しかしフォード・グループから離れたことで、両者は自前でプラットフォームやパワートレインを生み出す必要が生じた。ここでマツダは守りに入らなかった。「スカイアクティブ・テクノロジー」と「魂動(こどう)デザイン」を投入したのだ。

スカイアクティブは2011年にまず、当時のデミオと「アクセラ」のマイナーチェンジで一部を導入し、翌年発表の初代「CX-5」で全面的に採用。同時に2010年発表のコンセプトカー「靭(シナリ)」で提案し好評を博した魂動デザインを市販車として初めて盛り込んだ。この2つの要素を盛り込んだ車種をマツダは新世代商品群と呼び、それ以前の車種と明確に分けた。

その後は2017年発表の現行「ロードスター」まで立て続けにモデルチェンジを繰り返し、5年間で自社開発の乗用車全車種を新世代商品に切り替えてしまった。

マツダの現行ロードスター(筆者撮影)
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