Xmasデートする未婚者は2割以下という現実 「街中カップルだらけ」と考えるのは誤解だ

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『「告白は男からすべし」は女の願望に過ぎない』という記事にも書きましたが、「男性が付き合う前に告白する文化」というのも、まさにこの時代に生まれています、フジテレビ系列で1987年にスタートしたとんねるずの集団お見合い番組「ねるとん紅鯨団」が提示したフォーマットだったのです。

このように、「クリスマスとは、男が高価なプレゼントを買い、高級レストランで食事をし、高級ホテルで朝を迎えるもの」という一連の流れを確立させたのが、1980年代前半から1990年代前半にかけての時代でした。音楽・雑誌・テレビ番組、そして景気がすべて後押しして、クリスマスのデート文化を生み出したとも言えるでしょう。

おひとりさま用ケーキも出る

ただし、だからといって全員恋愛を謳歌していたわけではありません。派手なイメージに引っ張られてしまいますが、あの時代も大多数はソロ・クリスマスでした。繰り返しますが、彼氏・彼女がいた率は3割しかいなかったのですから。

彼女なしの男性でも、クリスマスに女性とレストランデートをした例もありましたが、クリスマスのダブルヘッダーを実施し、プレゼントだけは複数もらうという荒業をこなす女性も一部いました。しかも、プレゼントは「○○ブランドの財布」という指定です。なぜ指定するかというと、同じモノを複数の男性からもらい、1個を残してほかはすべて質屋に売るためです。彼女にとってまさに「男はただのサンタクロース」だったのです。

興味深いのは、まさにこのクリスマスデート文化時代に青春真っ盛りの大学生だった男女が、今50歳を超え、最も結婚しない生涯未婚率最高記録を打ち立てたということです。「クリスマスはカップルで過ごすもの」と洗脳されて、浮かれた人たちが、結果生涯未婚で残っているというのはなんという皮肉でしょうか。

さて、今年のクリスマスには、コンビニでおひとりさま用クリスマスケーキなるものも発売するようです。統計にもあるとおり、ソロの8割は何の予定もなく、ソロでクリスマスを過ごすのがデフォルトであり、マジョリティーです。おひとりさま用クリスマスケーキは、正しい判断であり、全国のソロたちへのささやかな贈り物になるでしょう。

それでは、ソロの皆さまも、よいクリスマスをお迎えください!

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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