アメリカのエネルギー産業が置かれている今

苦境を乗り越え、復活の道をたどる

米国の新規油田の開発の様子。写真は2016年(写真:ロイター/アフロ)

世界で、原油の生産量が最も多い国はどこかご存じだろうか。サウジアラビアか、はたまたロシアか……。

最新の統計によると、アメリカがこの両国を抜いて世界最大の産油国となっている。天然ガスもロシアを抑えて生産量ナンバーワンだ。アメリカでは2010年代に入ると、頁岩(シェール)の地層に含まれる石油や天然ガスを採掘するための技術革新が進み、低コストで効率的に生産できるようになった。

いわゆる「シェール革命」により原油と天然ガスの産出量が大きく増えることとなった。

いまや世界一となったアメリカの石油産業は、規模も大きく裾野も広い。2017年の名目GDPでみると、鉱業に分類される石油・天然ガス採掘の産業規模は、自動車製造業の規模を上回る。また精製や石油製品の生産まで含めた規模は、コンピューター・エレクトロニクス産業よりも大きい。

かつての石油メジャー、現在も健在

エネルギーの世界は、1970年代まで「セブンシスターズ」と呼ばれた石油メジャー7社が石油生産をほぼ独占してきた。この7社のうち5社がアメリカ企業であり、その後、合併などにより現在は4社(アメリカ企業は2社)に統合されている。

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その2社がエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)だ。ともに石油やガスの探査、生産という上流部分から、輸送・保管などの中流、さらには精製や製品の販売といった下流まで一貫した垂直統合型の展開を行っている。

1870年創業で、ロックフェラーの系譜を引くエクソンモービルは、1999年にともにセブンシスターズの一員だったエクソンとモービルが合併して誕生した。アメリカ国内のほか、カナダやブラジル、中東や中央アジア、アフリカなど世界各地に多数の拠点をもち、2017年の原油生産量は日量228万バレル、天然ガスは同102億立方フィートと世界トップクラスを誇っている。

また、会社の公表資料によれば、2017年末時点の原油埋蔵量は75億バレル、天然ガスの埋蔵量は33.6兆立方フィートと報告されている。

同社は、アメリカでの中心拠点であるテキサス州・パーミアン盆地での増産やメキシコ湾岸エリアでの下流部門に今後5年間で約350億ドルを投じる方針を表明している。

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