「JR SKISKI」、本田翼からなぜピエロに? JR東日本担当者に“ティザー広告”の真意を突撃取材

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今年の主役は「ピエロ」?

真っ白なゲレンデの背景に、真っ赤な鼻と頭。瞳は緑に染まり、不気味な笑みを浮かべる。口の大きな穴からはマスクを被った人の口が見えており、よく見ると目を見開いている。

「狂気を感じた」「今年は変態が広告に」「JRに何があったんだよ」「ぜんぶ雪のせい、なら仕方がない」といったコメントが、キャンペーンサイトからツイッターなどに投稿され、ネットメディアでも取り上げられるなど、サイト公開直後からウェブで賛否両論を巻き起こした。

このピエロは誰なのか。前出の担当者に確認したところ、すでにツイッターなどで一部のユーザーが予想していたとおり、2011年にメジャーデビューした4人組のバンド「SEKAI NO OWARI」のメンバー「DJ LOVE」だと判明した。

起用の理由については、「SEKAI NO OWARIについては、キャンペーンのターゲットである若者層からの支持が高く、YouTubeやSNSなどのインターネット上でも多くのファンに支持されており、インパクトがあるため」とコメント。提案は、広告代理店(株式会社ジェイアール東日本企画)によるものだという。

なお、一部で「ピエロが怖い」という声が挙がっていることについては、「そのような声については弊社にも挙がっており、お客さまにご不快な思いをお掛けしたことについては、素直にお詫び申し上げたい」という。

この取材(11月28日午前)の中で、旬なタレントの顔出し出演から一気に路線を変更した理由について担当者は、「今後の展開で「意味」が分かってくるので、ぜひ期待していただきたい」と真意を濁したが、同日その意味が明らかになった。

ピエロから女優の川口春奈へ。今年も「旬なタレント」路線を踏襲するというネタバレが行われた。さっそくツイッターでは「そう来たか!」「ピエロとみせかけて、川口春奈!」「ピエロはつかみだったのか」などの反響が起こった。

ネットユーザーが散々話題にしたピエロは、このときのピークを盛り上げるためのいわゆる「ティザー広告」、つまり、あえて真意を明らかにしないことで消費者の注意を引くための仕掛けだったのだ。

JR東日本の仕掛けはこれで終わりなのか、それとも続くのか。ティザー広告のおかげで今後の展開が気になる読者がいるのならば、それは皮肉にもJR東日本の「ピエロ」にされた格好だ。

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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