「駅」を脱皮、経路検索「駅すぱあと」の危機感 鉄道だけでない交通の総合案内役になれるか

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太田信夫社長による基調講演では、「Next EKISPERT」と題して「駅すぱあと」の今後についての方向性が示された。

従来は、目的地への移動条件に「とにかく早く」とか「少しでも安く」といった画一的な要求が多かった。しかし、いまではそれ以外に、少し費用を出してもいいから快適に移動したいとか、効率的に各種交通機関を乗り継ぎたいといった個別の要求が増えている。

たとえば、気候のいい時期に晴れていれば徒歩移動もよいが、酷暑の日や豪雨の日などは、できるだけ屋内移動をしたいといったように、同じ人が同じ目的に対して動くに際しても、外部要因で移動に最適な手段は変わる。こういった個別要因にも対応していこうというのだ。

同時に、自家用車や社用車を持つことが本当に理想的なのかという点にも疑問を呈した。行き先・目的によって車種を変えたり、道路が渋滞していれば郊外まで電車で移動したりといった選択肢を提示するには、車を所有するのではなくシェアリングを利用したほうが効率的であり、費用面でも有利になる可能性がある。

「MaaS」に向けた流れ

その実現に向け、「駅すぱあと」でさまざまな交通機関を一元管理し、たとえば駅に着いたら予約したタクシーが待っていたり、シェアリングの車が用意されていたりといった状況を作っていく。決済サービスも加えることにより、キャッシュレスで移動して後日一括決済することも視野に入れているという。

これは、最近注目を集めている「MaaS」(Mobility as a Service)に向けた流れだ。

MaaSとは「出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに 1つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念」(国土交通省による説明)で、簡単にいえば鉄道やバス、タクシーなど各種の交通機関を組み合わせた経路検索などを可能にし、さらには決済なども一元化することだ。

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