「駅」を脱皮、経路検索「駅すぱあと」の危機感 鉄道だけでない交通の総合案内役になれるか

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「Next EKISPERT」と題して、近未来の「駅すぱあと」の姿を提示する太田信夫社長(筆者撮影)

日本初の路線検索・運賃計算ソフトとして知られる「駅すぱあと」が今年、発売から30年を迎えた。これを記念して発売元であるヴァル研究所は10月23日、「駅すぱあと 30周年記念パーティー」を都内で開催した。

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会場には102社から計145人が集まったが、その参加者は今後の「駅すぱあと」をともに担っていくビジネスパートナーたちだ。記念パーティーにつきものの功労者表彰などは一切なく、一見して中堅サラリーマンとわかる参加者が圧倒的に多かった。

「Yahoo!乗換案内」の検索エンジンとしても知られ、鉄道一筋にみえる「駅すぱあと」の記念パーティー。だが、冒頭に提示された未来映像は衝撃的だった。

鉄道を使わずにタクシーで?

中央線高円寺駅近くの自宅へ帰宅途中の小学生の女の子は、その日が誕生日。帰宅して家族とささやかな誕生会を楽しみにしていたのに、総武緩行線が事故で止まってしまった。すると、すかさず母親が「駅すぱあと」を使ってタクシーを手配し、娘を難なく帰宅させるという内容だ。

複雑な鉄道路線を効率よく乗り継ぎ、出張精算で面倒な運賃計算を自動で行うことを売りにしてきた「駅すぱあと」が、鉄道を使わずタクシーを手配するとはどういうことだろうか。

実は、この日発表された今後の方向性のキモはそこにあった。

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