「駅」を脱皮、経路検索「駅すぱあと」の危機感

鉄道だけでない交通の総合案内役になれるか

記念パーティー会場に映し出された「駅すぱあと」30周年記念ロゴ(筆者撮影)

太田社長に今後について聞くと、「2020年までに、MaaSに関連した実証実験やトライアルを10件以上実施」「今後1年の間に、MaaSに関連した実証実験や、(ヴァル研究所が展開している)シェアサイクルと公共交通を組み合わせた経路検索ができるサービス『mixway』などで、5社以上とパートナー関係を結ぶ」ことが当面の目標とのこと。

これらの目標に向けた取り組みを着実に進めることで、2020年までに関連の売り上げを1.5倍にすることを目指すという。大きな変革を目指すその発想の原点は、ヴァル研究所の創業者で1997年に55歳の若さで亡くなった島村隆雄氏の遺志を継ぎ、「世の中に、より進化したコンピュータ言語を研究・開発・提供していく」という社名Val(Very Advanced Language)の由来に立ち返っての判断であるという。

交通の姿とともに経路検索も変わる

ICTの発展に伴い、交通機関のあり方は大きく変わろうとしている。MaaSについてはほかの経路検索サービス企業や、鉄道各社も取り組みを進めつつある。

たとえば小田急電鉄は今年発表した中期経営計画の中で「多様なモビリティサービスを1つのサービス(MaaS)として利用者に提供」するとの将来像を掲げている。今年夏にはヴァル研究所とも連携し、スマートフォンのアプリによって交通機関やその周辺情報を一括して提供するMaaSのトライアルを、自動運転バスの実証実験に併せて行った。JR東日本と東急電鉄も、2019年春に伊豆で「観光型MaaS」の実証実験を行う予定だ。

交通の姿が変わりゆく中、効率的な鉄道の乗り継ぎ案内を中心に提供してきた経路検索サービスの姿も変化を遂げようとしている。日本初の乗り換え案内ソフトとして知られ、経路検索や旅費精算で世話になることが多い「駅すぱあと」だが、これからは駅にこだわらない交通機関の総合案内役を目指して、新たな世界に向かおうとしているようだ。

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