大井町線に「指定席車」を導入する東急の思惑 田園都市線の混雑対策のほか「品川」も意識
首都圏有数の混雑路線として知られる東急田園都市線。同線と、そのバイパス的役割を担う大井町線に、この冬から「指定席」の車両が走り始める。
東急電鉄が12月14日から、平日夜の大井町線大井町発・田園都市線長津田行きの急行電車に導入する有料座席指定サービス「Q SEAT(キューシート)」。その車両が11月10日、報道陣に公開された。
座席指定車は7両編成のうち1両で、一面オレンジ色のラッピングが目印。今年春にデビューしたばかりの大井町線急行用新型車「6020系」2本から、それぞれ中間の1両を外して入れ換えた。
座席は「Qシート」として運行する際は前向きに座れるクロスシート、一般列車として使う際は横長のロングシートに転換できる構造。各席にはコンセントやカップホルダーが付き、無料Wi-Fiも使える。座席数は45席で、混み合う一般車両とは「別世界」の車内風景が広がりそうだ。
7両中1両が指定席
首都圏の大手私鉄各線に広がる「座れる通勤列車」だが、東急が平日夜に座席指定車を走らせるのは今回が初。「Qシート」が首都圏各社の着席サービス列車と違うのは、指定席車両が編成中の1両のみという点だ。同社の担当者は「需要やほかの車両、列車の混雑への影響などを考え、議論の結果1両でサービスインすることにした」と説明する。
連結位置は大井町側から3両目の3号車。「駆け込み乗車や誤乗車を避けるため、各駅で階段付近などに当たらず、特に混み合う位置を避けた」(担当者)という。
運行本数は、大井町発19時30分から23時09分まで1日5本。指定料金は400円で、専用のWebサイトでシートマップを見ながら予約できる「チケットレスサービス」のほか、大井町線内の停車駅窓口で指定券を発売。車内では係員が座席指定の確認を行う。大井町線内の大井町・旗の台・大岡山・自由が丘の4駅は乗降どちらも可能だが、田園都市線内の二子玉川・溝の口・鷺沼は降車のみ。たまプラーザから先は指定なしで乗車できる。
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