不登校児を救い「若者をつなげる」支援の裏側 否定せずに1人の人間として大人がかかわる

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:何がその生徒さんのスイッチを押したのでしょうか?

今井:「対等に扱ってくれている」とか、「話を聞いてくれそうだな」という雰囲気は見ている気がします。

「一人ひとりの若者が希望を持てる社会を」

:不登校やひきこもりへの対応は十分でしょうか? 全国的に、働く意欲や機会、社会との接続を失っている若者たちが放置された状態が続いていくと、未来はどうなっていくと考えていらっしゃいますか?

今井:少子化で働く若者が減るというのは、企業や経済活動にも影響すると思います。仮に本人たちが望んでいるのに働けていないとしたら、本人たちは希望がなくきつい状況に陥ってしまう。経済的にも、本人たちの経済状況、貧困状態にも結び付いていくと思います。それはかなり大きな問題になってくるだろうと考えています。

:実際に、40代、50代の引きこもりの問題が深刻になってきています。固定化されたら将来にわたって大変ですよね。

今井:そうですね。特に日本の場合、固定化しやすい。いったん孤立すると、なかなかそこから動けないということが実際にあります。

:それは、雇用の流動性が乏しいからでしょうか?

今井:それもありますし、周りに助けを求められないというのも要因です。親、先生、さらに友達からも否定され身動きが取れなくなってしまったら、なかなかそこから一人の力で上がっていくのはしんどいと思います。

:海外にルーツを持つ子どもたちも増えてきていますし、セクシャリティについて悩みを抱えたまま孤立しているLGBTQの子どもたちもまだまだ多いと思います。今後の課題として思うところありますか?

今井:そうですね。外国人支援もLGBT支援もどちらもかかわっていますが、外国人支援はまだまだこれから。LGBT支援では、特に高卒のトランスジェンダーの子どもたちの就職環境がまったく整っていない。現実的に僕もぶち当たった問題です。トランスジェンダーの子でも、大卒であればLGBTフレンドリーの企業がある程度あると思うのですが、高卒のLGBT フレンドリー企業はまだまだ見えてきません。

一人ひとりの若者が希望を持てる社会を(写真:©︎認定NPO法人D×P)

:最後に、クラウドファンディングを通じて何を伝えたいですか?

今井:一人ひとりの若者が希望を持てる社会を一緒に作っていくというのが大切だなと感じています。今事務所を増設することで、支えられる生徒の数をどんどん広げていくことができる。若者支援は、社会保障費も上がってくるので、これからどんどん行政から支援を得にくくなるのではないかと懸念しています。だからこそ、民間がサポートしていかないと厳しくなる。僕たちがやっていかないと、少子化なのに若者が苦しんでいる状況が続いていく。それを解決するために、皆さんの力をお借りしたいなと思います。

認定NPO法人D×Pについては「GARDEN」当該記事へ

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GARDEN編集部

『GARDEN Journalism』(https://gardenjournalism.com/)は、公益事業者の発信を支援するプロジェクトGARDENが運営するニュースメディア。社会問題と向き合い、困っている人たちの一助になろうと奮闘している、NPOやNGO等の方々の活動を取材し、動画と記事で発信している。

4つの支援の形として、以下の4つのマークを用意。

・必要な資金を寄付することで種を育てる、「支援したい」水差しのマーク

・発信し情報を多くの人に広めることで種を育てる、「取材したい」カメラマーク

・ボランティアやイベントに参加することで種を育てる、「参加したい」花びらのマーク

・気持ちを届けることで種を育てる、「共感する」お日様のマーク

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