不登校児を救い「若者をつなげる」支援の裏側 否定せずに1人の人間として大人がかかわる
文科省は先月25日、昨年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」の速報値を発表しました。
小・中学校における不登校児童の数は14万4031人と、前年度に比べて約1万人増えて、統計開始以降、初めて14万人に達しました。過去最多を更新です。
不登校によって高校進学に必要な成績を得ることができず、進学や就職もしないまま非就業者になるケースも少なくありません。 一方で、小・中学校での不登校の経験と向き合い、通信制や定時制高校に進学して学びを続ける若者たちもいます。しかし、通信制高校の卒業生の約4割、定時制高校の卒業生の約3割が、進学も就職もしないまま卒業しています(全日制高校は5%です)。次の所属先が決まらないまま社会に放り出されているといえます。
GARDENではそうした若者たちの「つながる場」と「いきるシゴト」をつくろうと支援を続ける「認定NPO法人DxP(ディーピー)」の活動に注目しました。活動の輪を広げるために、クラウドファンディングを通じて資金集めを続ける代表の今井紀明さんに、今求められている支援は何か伺いました。
増加する不登校 いじめ、学力不振…「原因は複合的」
堀:2017年度に不登校した小中学生は14万4031人。5年連続で増加し、16年ぶりに過去最多を更新。その背景は何だと考えていらっしゃいますか?
今井:統計調査でも不登校の原因はさまざま出ています。たとえば、人間関係やいじめ、学力不振。さまざまな理由が複合的にあると思っています。聞いているかぎりではそうした原因も大きいと思うのですが、最近感じているのは、学校に行くニーズに対して根本的に疑問に思っている生徒さんが少しずつ出てきているということです。仮説ですが、そういう理由で通信制高校に行く子どもが増えているのかなと考えています。