抜かれたら抜き返す、トヨタ「アクア」の意地 低燃費競争はメートル単位の戦い
一方、ホンダの開発幹部は「トヨタさんも大人の対応をしてくればよかったのに。わずかに抜き返すなんて」と苦笑いする。だが、トヨタからすれば「われわれは燃費ナンバーワンをうたってきた」(橋壁氏)というプライドがあり、いつまでもフィットの後塵を拝する気はなかったようだ。
もっとも、意識するのはフィットだけではない。「軽自動車だって脅威だ」(橋壁氏)。スズキの「アルト エコ」(35.0キロ)やダイハツ工業の「ミライース」(33.4キロ)のように、軽でも30キロ超えが当たり前になってきている。価格では太刀打ちできないだけに、燃費の差を広げる必要がある。
リッター37キロが限界?
さて、とどまることがない燃費競争はどこまで進むのか。
アクアのHVシステム開発を担当したHVシステム開発室主査の上原隆史氏は「今は37キロでいっぱいいっぱいだが、限界はないと思ってやっている」と語る。
カーボンボディで軽量化したり、軽快な走りを犠牲にしたりするなど、コストや商品性を無視すれば「今でも40キロはいける」(上原氏)。実際には、200万円未満のコンパクトカーというカテゴリーで実現できる技術という制約があり、「カンナで削るように少しずつ燃費を向上させていくしかない」(同)という。
地道な積み重ねによる燃費改善競争が今後も続きそうだ。
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