米朝高官協議ブッチした北朝鮮の「腹づもり」 アメリカを脅しにかかっているのか

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2度目の首脳会談は適切に行われるのであれば、米朝の対話をトップダウンで進展させるいい機会となる。そこで建設的な対話がなされれば、双方の間で真剣な合意が交わされ、二国間関係の改善に向けた取り組みが着実かつ不可逆的に始まり、核の脅威の低下と地域の安定へとつながる可能性もなくはない。

だが、これまでの交渉結果を見るかぎり、双方がどこまで歩み寄ったのか、また北朝鮮の非核化について現実的に何が達成可能なのかは依然として明らかになっていない。

そもそも先にキャンセルしたのはアメリカ

現在のところ、交渉は北朝鮮のルールにのっとって進んでいる。高官協議を土壇場でキャンセルしてくることは、もちろん想定外の事態ではなかったが、金正恩氏が現状に不満を持っているというメッセージを伝えるには十分なインパクトがあった。そうすることで北朝鮮は、アメリカと韓国に軌道修正を迫ろうとしているのかもしれない。これはあくまで仮定にすぎないが、仮にアメリカ政府がこれからの交渉に強硬路線で臨む方針を検討していたのだとしたら、そうした考えは改めよ、ということである。

もしかしたらアメリカは短期的な成果を手に入れようと態度を軟化させる気になるかもしれない。しかし非核化がなければ譲歩はないという、これまでのスタンスを貫き、強気に出ることもできる。

そもそも1回目の米朝首脳会談を突然、キャンセルしたのはアメリカのドナルド・トランプ大統領だった。しかし、それでも両国は結果的に首脳会談を行った。

今回もしばらくしたら、これと同様のパターンを私たちは目にすることになるのかもしれない。

(執筆:スー・キム)

筆者のスー・キム氏は米中央情報局(CIA)の元北朝鮮分析官。主に北朝鮮の指導体制、核開発、プロパガンダを分析。2015年には米国のシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)にフェローとして在籍。
「北朝鮮ニュース」 編集部

NK news(北朝鮮ニュース)」は、北朝鮮に焦点を当てた独立した民間ニュースサービス。このサービスは2010年4月に設立され、ワシントンDC、ソウル、ロンドンにスタッフがいる。日本での翻訳・配信は東洋経済オンラインが独占的に行っている(2018年4月〜)。

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