37歳「離婚1年半」双子の母が起業できた理由 パソコンすらちゃんと使えなかったけど

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元夫も1年半後は養育費などの負担が減るので、ナカヤさんが自立することに関しては賛成だった。この時はむしろ、「離婚後の生活は元夫と2人で乗り越えた」感じさえあったという。

離婚が2015年8月、その後スッキリしていたのは1~2カ月のみだった。

「私は7年後、双子が高校を卒業する頃に離婚相談所を作りたいと思っていました。その間の準備として、宅建と行政書士の取得を考えました」

もともと不動産に興味があったこともあり、宅建は興味があった。しかし、シングルマザーになったばかりのナカヤさんは、資格取得のためとはいえ、勉強にお金はかけられない。

「何が何でも独学で資格を取らなくては、と思いました」

離婚問題が片付き、ひと段落した同年9月から勉強を始めた。

「早起きしてコールセンター出勤前の1時間を勉強に充てました。出勤中は、不動産業を兼業している同僚の隣の席に座り、勉強した内容を話して復習。子どもが元夫のところに遊びに行っている間は、近所のカフェで朝から夜中まで必死に問題集や参考書を開いて勉強しました」

宅建の試験は同年10月18日。ガムシャラな勉強が結果に結び付き、見事2カ月弱で宅建に合格した。

コンペに応募、2社同時設立、起業までの道のり

「宅建受験後、友達に離婚報告をしに行きました。最後は『離婚相談所と離婚活動(略して離活)を便利にするためのアプリを作りたい』と夢を話し、明るく終わるのがいつもの定番でした」

「そしたら、ある時、その話に興味をもってくれた知り合いのシステム会社の社長さんがいて。『それは資格がなくてもできるよ、作ろう』と提案してくれたんです」

しかし自分には資金がないし、社会経験も乏しい。専門家としての知識もなければ、資格も実績もない。自信も何もかもがなく、不安だった。

「しかしその社長さんが『独立準備するまでうちの社員として働けばいい』と提案してくれて。本当に感謝しています。全国的なコンペに応募したいと相談すれば、『全国規模で自由に考えればいいよ』とアドバイスをしてくれたので、数千万の規模のプロジェクトを勝手に組み立ててしまいました」

しかし、実際には家にパソコンもなく、資料作成は漫画喫茶へ。さらにエクセルもパワーポイントも全然わからなかったので、人の5倍は時間をかけて進めた。

「お金もないので、その後もパソコンをレンタルしながら進めました。しばらくしてから、ようやく中古パソコンを購入。そして、ド素人なりに本気でやろうとしたのが、2016年の4月から5月です。ゴールデンウイークにやりたいことを友人たちに語り、意見を聞き、ブラッシュアップさせていきました」

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