「実家を売りたい人」が知っておくべき節税策 最高3000万円の特別控除は来年12月まで
贈与税、相続税の基礎控除の仕組み
贈与とは、当事者が相手に、両者の同意の下、金銭などを無償で贈り与えることです。贈与税は金銭などをもらった人に対して、受け取った財産の価格に応じて課せられる税金です。
贈与税には、毎年110万円の基礎控除が認められています。「これを暦年課税制度といい、この控除額内での贈与は、基本的に申告は不要です。この基礎控除を利用した生前贈与は、簡単でかつ節税効果が高いので、最初に検討すべき方法です」と話すのは、税理士の板倉京さん。
一方、相続とは亡くなった人の財産などを家族が引き継ぐことです。相続税は財産を受け継いだ人に、その財産の価格に応じて課せられる税金です。相続税の基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数です。
たとえば、妻と子供2人が法定相続人の場合の基礎控除額は4800万円です。仮にこの人の遺産が1億4800万円あった場合、基礎控除を差し引いた1億円が相続税の課税対象となります。とはいえ、この1億円にいきなり下の相続税の税率表を当てはめて計算するわけではありません。相続税の計算上は、この1億円を法定相続分通りに分けた金額に税率をかけて計算するのです。ちょっと難しいかもしれませんが、知っておいて損はないことですから、一緒に見ていきましょう。