スポーツ車はMTと信じる人に教えたい新常識 2ペダル自動変速はここまで進化している

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すでに他社では10速ATもラインナップされているが、ATの多段化は今後どこまで続くのだろうか?

「重さやサイズを考えなければいくらでも可能です。多段化していくと1段ごとのギアがクロスするのでCVTのように最適なギアを選びやすくなります。『シフトダウンが大変』という意見もありますが、今は段跳び変速があるので問題ないでしょう。ただ、ギアを増やす=重量が増す、コントローラーが増す、シフトエレメントが増えるなど、そこで得られるメリットや商品性があるかどうか。弊社はそのバランスを考えた結論が8速と9速でした」

やはり多段化=重量増なのだろうか?

「実はFR用ATは6→8速とギア段数が増えていますが、サイズは逆に小さく、軽く(20kg近く)なっています。その上900Nmという高トルク対応型です。電子技術やソフトウエア技術はもちろん、歯車一つひとつの省スペース/軽量化、油圧経路やオイルポンプなどの進化など、ここ10~15年の技術革新がこれらを可能にしています」

電動化シフトへの対応

そんなATだが、昨今の電動化シフトにどのように対応していくのだろうか? EVはトランスミッションが必要ない……という根本的な問題も出てきそうだが。

「電動化シフトといっても、そのほとんどはハイブリッドもしくはPHVと内燃機関との組み合わせなので、トランスミッションが今すぐ必要なくなることはないのでわれわれの出番はあると考えています。ただ、トランスミッションに求められる付加価値は『電動化』なのも事実で、弊社ではすでに『プラグイン・ハイブリッド・トランスミッション』を用意しています。

また、ピュアEVも最高速のことを考えるとトランスミッションとの組み合わせも考えられるわけで、むしろニーズは広まっていく可能性はあるので、弊社としてはどれにでも対応できるようにしていく必要はあると思っています。ZFはただ物を作るのではなく、付加価値の高い物、技術的に進んだ物を提供していきたいという思いは今後も変わりません」

最後に柴田さんに「理想のトランスミッションとは?」という質問をしてみた。

「CVTの機能がDCTの高トルクまで耐えられる、トルクコンバーターのようなイージードライブですかね?」

それをひもとくと、最新のATがその理想に最も近いような気がしている。

山本 シンヤ 自動車研究家

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やまもと しんや / Shinya Yamamoto

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“わかりやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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