スバル、品質問題の泥沼から抜け出せるのか 要のエンジン部品でリコール、販売店は疲弊
ついに砂上の楼閣が崩れてしまった――。
SUBARUは11月5日、2019年3月期の業績見通しを大幅に下方修正した。売上高は3兆2100億円とほぼ据え置いたが、営業利益は2200億円と前回予想を800億円、率にして約27%も引き下げた。かつて営業利益率は10%台を誇っていたが、今期の予想では6.8%。これが今のスバルの実力だ。
下方修正の主要因は、スバルの技術の代名詞とも言うべきエンジンの部品のリコール(回収・無償修理)で関連費用は550億円にのぼる。対象は「バルブスプリング」と呼ばれるエンジンの吸排気弁を開け閉めするためのバネ状の部品。最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。
スバルは11月1日に国土交通省に2012年1月~2013年9月に製造した「インプレッサ」など4車種の10万1千台あまりのリコールを届け出た。海外分を合わせると約41万台が対象となる。
3回目の最終報告書を提出後も不正継続
スバルにとってこの1年は非常に苦しかった。昨年10月、新車の出荷前に行う完成検査を無資格の検査員が行っていた問題が発覚。社内調査が不十分でリコールを繰り返し、最終報告書を3回も提出する異例の事態となった。
完成検査問題は今年9月に3回目の最終報告書を出して収束に向かうかに見えた。だが、スバルは11月5日に追加のリコールを発表。これまで完成検査の不正は2017年末まで行われたと説明していたが、実際は今年の9~10月まで続いていた。10月に行われた国交省の立ち入り検査で、ブレーキ検査の不正を続けていたことが発覚した。
リコールの対象車両は今年1月8日から10月28日までに製造された約10万台。11月8日に正式にリコールを届け出る予定だ。これで完成検査に関するリコールは約53万台にのぼる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら