スバル、品質問題の泥沼から抜け出せるのか 要のエンジン部品でリコール、販売店は疲弊

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品質問題をいつまでも引きずっていると、スバルの風土改革が進んでいるのか疑問を持たざるをえない。ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令順守)の意識について、前出の大聖氏は「現場に仕事の重要性を認識させ、モチベーションを与えるのが経営者の責任だ」と警鐘を鳴らす。

業績の立て直しになお時間

しかし、中村知美社長は「いまは会社の悪いウミを出している途上であり、今回検査員が告発をしたのも、意識改革の一環だ」と危機感は薄い。先述した通り、追加リコールは国交省による指摘がきっかけで、自浄作用が働いたわけではない。風土改革の成果とみるのは早計だ。

スバルの主力工場、群馬製作所(群馬県太田市)。品質問題への対応で減産を余儀なくされる(編集部撮影)

今回の件で、スバルの業績立て直しはさらに遅れる。国内の生産ラインの見直しに伴い、生産台数も当初計画の67万2000台から65万6000台に1万6000台減らす。急成長を牽引してきた米国の販売も、減産によって在庫が足りなくなるため、ブレーキがかかる見通しだ。信頼を売りにしてきた会社で起こった品質問題に、株価も下がり続けている。スバルが再びスタートラインに立てるのは、いつになるのか。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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