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スバル、品質問題の泥沼から抜け出せるのか 要のエンジン部品でリコール、販売店は疲弊

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エンジン部品の問題については6年も前の2012年からスバル本社には報告が上がっていた。設計上のミスや、製造過程でのばらつきなどが原因で、バネが伸び縮みを繰り返す中でバルブスプリングが破損(疲労破壊)してしまい、異音がしたり、エンジンが故障したりしていたという。

品質保証本部長を務める大崎篤常務執行役員は、「途中、材質の強度を高めたり、製造の精度を上げたりと対応したが、原因究明とリコール判断に時間を要してしまった」と話す。スバルにバルブスプリングを納入している日本発条は「部品そのものに問題があるというわけではない」(広報)と話す。

それでは何が問題だったのか。自動車工学が専門の早稲田大学の大聖泰弘名誉教授は、「材質分析や耐久テストの過程で、部品・素材サプライヤーとのすり合わせが不十分だった可能性がある」と見ている。

問題がわかっていたのならば、サービスキャンペーンや自主回収でもっと早く手を打つこともできたはずだ。

米国での訴訟リスクも

危惧すべきは、約14万台分のリコールが出ている米国での訴訟リスクだ。リコール隠し・遅れがあったと判断されれば、厳しい制裁金が課される可能性がある。では、なぜここまで時間がかかったのか。

SUBARUが今年、米国で発売した3列シートの新型SUV「アセント」(右)と売れ筋の「アウトバック」(左)。収益源の米国販売にとっても一連の品質問題は打撃となる(写真:SUBARU)

国際自動車ジャーナリストの清水和夫氏は、「エンジンは精密機械で壊れやすく、原因の判断が難しい。急成長していたスバルは、膨大な数のクレームを前に、本当の原因を特定することができなかった」と分析する。そのうえで、「これからの時代は、IoT(モノのインターネット化)技術やAI(人工知能)を使い、新たな検査体制を整えることが不可欠になる」と指摘する。

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【企業風土改革は進んでいるのか?】

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